電子投票選挙の結果発表について(京都市の例に見る)
(04/02/22) 

<前書き>
 せっかく短時間で電子投票選挙の結果が出ていたのに、その内容がなかなか発表されませんでした。それは、選挙の開票結果の発表責任と言う形で、意外なところに問題点がありました。
 下段は、付け加えた新規の記事です。

<目次>
選挙結果の発表について - 吉田 つとむ 02/09-09:48 No.3956
投票数とその解釈 - 吉田 つとむ 02/09-10:11 No.3957
発表が遅れた理由の説明がない - 吉田 つとむ 02/10-23:08 No.3967
Re: 過度な期待と不信 - 塚本 清一 02/11-10:23 No.3968
電子投票への期待 - 吉田 つとむ 02/11-11:49 No.3969
投票結果のログ公開 - 吉田 つとむ 02/11-12:00 No.3970
選挙結果の発表責任と権限 - 吉田 つとむ 02/11-12:26 No.3971
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タイトル:選挙結果の発表について

 京都市長選挙、東山区の開票結果の発表については、立会人の開示する前に、京都市選挙管理委員会にFAXで問い合わせをした後で行うと言うやり方に、会場の視察者は疑問を持ったことでしょう。

 上記の経過は、会場内のうわさで情報収集したもので、この経過の説明はまったく行われていませんでした。

 そのため、今だ投票結果の発表が遅れた理由を知る人は少ないでしょう。(今日は新聞休刊日であり、京都新聞では号外が出ていると言いますが、そのニュースを確認しておらず、どのような経過として配信されているか、不明です)

 なお、会場内には黒板が配置されており、その上に得票結果を手書きするものがありました。選挙長が、得票結果を1回発表しただけで選挙の終了を発表したため、そこに書き記す様に求めました。若干の時間を置いて、ようやく書き表されました。

 なお、その後、会場入り口で、メディア関係者を中心に、選挙の投票結果が配布されたという話しを、今日になって確認しました。

 そのため私は、その選挙結果を宿泊先にFAXで取り寄せました。
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タイトル:投票数とその解釈

 今回の市長選挙では、現職の桝本頼兼氏が、多数の政党・団体の推薦を受け、当選しました。その結果は、次の通りです。

全区合計  東山区
桝本頼兼 231822  8962
広原盛明 174847  5465
新井信介 25090   899

 この東山区の選挙結果に関して、
 選挙管理委員会の発表は、次のようでした。

       電子投票 紙の投票  計
ますもと頼兼  8847 115 8962 
新井  信介   884 15 899
広原もりあき  5425 40 5465
15156 176 15326
(注:吉田 上記の176は、170の転記間違いです。後で追記)

無効票      0     6   6

投票総数   15156 176 15332
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以下は、持ち帰りと言う処理と表記
電子投票を
途中で終了   187 187

電子投票を
せずに退出 0 0

紙による投票        1   
計       187        188
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不受理の票数        0    0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
投票者総数  15343 177 15520

 この「電子投票の操作を途中で終了した者の数」を、「持ち帰りと思われる票数」に入れる考えかたに、私は疑問を持っています。

 電子投票の投票プロセスを考えると、これは晃かに「白票」をあらわす意思表示考えるのが適当と考えます。

 皆さんの考えは如何でしょうか。
 特に、選挙管理を行っている人達の考えをお聞きしたと思われます。有権者の意思表示として、お考え下さい。
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タイトル:発表が遅れた理由の説明がない

 関係記事を、(04/02/09) 京都市電子投票の投開票は順調に終了(発表は遅い)として、まとめました。
 数字は、表に整理しています。
http://j-expert.com/ike/2004/02/09_5.html

 せっかく電子投票で早い集計が出来たのに、選挙管理委員会の運営で、発表が遅れました。残念です。

 会場内にいた人は、発表がなぜ遅れた知らないままで、その京都市東山区役所の電子投票選挙の開票場所を去りました。そうした皆さんに、私が聞いた情報を、関係記事の中としてまとめ、上記のファイルで案内しています。

 どうぞ、本文をご覧ください。
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投稿者名:塚本 清一
タイトル:Re: 過度な期待と不信

>  せっかく電子投票で早い集計が出来たのに、選挙管理委員会の運営で、発表が遅れました。残念です。
>

私は、電子投票に何を期待するかの認識が統一されていないと思います。
即ち、電子投票の効果は早さだけでは無いと思います。この辺をキチンと
一般の人に説明しないと、過度な期待を抱かせるものと思います。

電子投票の効果は私が考えると次の通りと思います

1.選挙に携わる人の、非人間的な作業環境を排除する。
  即ち、徹夜で開票作業を行なうような無駄を無くせる。

2.選挙に掛かる費用を削減する。
  即ち、投票箱の移送費用や、開票作業に携わる人の時間
  外勤務手当ての削減、投票用紙の印刷代の削減など。

3.選挙の質の向上
  即ち、単なる紙ベースの投票の代替ではなく、住民投票
  等の拡大により、民意がきめ細かく、行政に伝わる様に
  出来ること。

4.開票時間の短縮
  
即ち、開票までの時間短縮は、電子投票の効果のおまけに過ぎないと
思います。それを明確にして、電子投票は決して早さだけを追求した
ものでは無い事を示し、開票結果の発表遅れは、装置のトラブルや
投票結果の不適合を示すものではない事を明らかにする事が重要と
思います。

即ち、電子投票という、目に見えない媒体に格納された投票結果は、
ともすれば、開票結果の発表までに時間がかかると、改竄や、データ
のすり替えなどをされるのではないかとの疑いをもたれる可能性があります。

電子投票の信頼性を有権者に理解してもらうために、データを全く別
のシステムで二面からダブルカウントする等して、データの信頼性
をアピールする必要が有ると思います。
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タイトル:電子投票への期待

 電子投票のメリットでは、ご指摘の点以外に、次の点が上げられます。

 同姓同名の区別を明確につけられるため、「按分」ということをやらなくて済み、投票者の意図がそのまま反映されます。

 次に、これから改善されるべきですが、候補者名と顔写真が投票時点で判別でき、候補者選択が容易になります。(現行の電子投票特例法を作成する段階でこの方法は削除され、復活が望まれているものです)
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タイトル:投票結果のログ公開

> 電子投票の信頼性を有権者に理解してもらうために、データを全く別
> のシステムで二面からダブルカウントする等して、データの信頼性
> をアピールする必要が有ると思います。
● 吉田
 問題点が発生した場合、投票結果のログを公開すると言う方法を一般化すれば、良いことだと思っています。

 もちろん、そうした場合も投票者個人がそれぞれに誰に投票したかは、判らない方法が保障されていないといけないことです。
 現在、紙で行っている選挙の信頼性と同一水準を確保することが必要でしょう。

 このことを、今の状態で保障できるとメーカー(電子投票普及協業組合)は発表しています。(平成16年2月3日 超党派国会議員議員連盟「電子投開票システム研究会」で公表されたという情報です)
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タイトル:選挙結果の発表責任と権限

> 即ち、開票までの時間短縮は、電子投票の効果のおまけに過ぎないと
> 思います。それを明確にして、電子投票は決して早さだけを追求した
> ものでは無い事を示し、開票結果の発表遅れは、装置のトラブルや
> 投票結果の不適合を示すものではない事を明らかにする事が重要と
> 思います。
● 吉田

 今回、京都市長選挙の東山区の開票において、その発表が遅くなったのは、次のように行ったいた方法が問題です。

 東山区で開票作業をして、そこで確認作業をするのでなく、その結果を市の選挙管理委員会にFAXで送信しい、その内容確認をしていたためです。

 京都市は政令指定都市であり、東山区のようなそれぞれの区には、各選挙管理員会があり、そこで結果の確認と発表を行うのが通例のはずです。

 電子投票の開票作業が終了した時点までは、マイクを通じてその経過を詳細に案内していました。

 不在者投票部分の紙の投票用紙の開票作業以降、まったくその進行状況に関する場内発表がなく、開票作業の人員が場内で立ったままの状況でした。(仁王立ち状態と表現した人がありました)その間にまったくなんの説明もなく、場内は「電子投票に間違いがあったのではないか」、と言う心配がただよっていました。

 最期に投票結果が発表された時にも、結果発表が遅れた説明がまったくありませんでした。もともと、この京都市では、区の選挙間委員会の業務に、「選挙の開票結果数値確認」の権限を持たせていない可能性もあります。そうであれば、そのことの方がより不自然です。

 上記のように、開票の結果発表が遅くなった理由は、公式には今もって説明されていないのではないでしょうか。

 なぜなら、今回の問題は、選挙の投開票結果をだれが確認するか、「区」なのか、「市」なのか、と言う電子投票自体の問題ではない次元の内容でした。

 こうして、今回の問題を、インターネット情報として情報発信していますので、それぞれの関係者が受け止めてくれるでしょう。

 全国から100名以上の選挙関係者が視察見学していましたが、ほとんどの人は、その「遅れ」を疑問に思って岐路につぃたでしょう。

 そうしたなかで、いくつかの自治体の選挙管理委員会職員の人達が、この吉田つとむHP(電子投票記事)を見ています。そうした選挙管理委員会職員はなにも語らずとも、今回の問題点は承知してくれるはずです。
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