地方議会の質問通告制とパネル類の使用

 以下は、「電網政治の時代」掲示板における議論の転載記事です。
 http://www.hirake.org/politic/bbslist/index.html
 内容が私への質問に端を発していますので、全文が私に関係するとは言えませんが、ここで転載させていただきました。
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<目次>
国会における質疑の事前通告制 /こえだ (04/06/14(Mon) 15:35) [7619]
地方議会の質問制度について /吉田 つとむ(町田市議) (04/06/14(Mon) 20:04) [7620]
Re[2]: 地方議会の質問制度について /野中一二(甲府市議) (04/06/14(Mon) 22:13) [7621]
パネル /聞きかじり (04/06/14(Mon) 22:31) [7622]
本会議質問でのパネルなどの使用について /吉田つとむ(町田市議) (04/06/14(Mon) 23:48) [7624]
Re[4]: パネル大きさに関係します /野中一二(甲府市議) (04/06/14(Mon) 23:43) [7623]
議会の運営 /聞きかじり (04/06/15(Tue) 09:47) [7625]
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国会における質疑の事前通告制 /こえだ (04/06/14(Mon) 15:35) [7619]

雑談スレにあった鬼一郎さんのレスに対して・・
この政治議論版が適当かな、と思いまして勝手にこちらにレスを書きました。

鬼一郎さんレス;
私は思いますが、国会の論戦で国会議員が自分の言葉で論戦すればどのようになるかどうか見てみたいですね。
と言うより、そのようにさせるべきでしょうね。
 即ち、官僚の書いた言葉の引用なしで、官僚の書いた台本なしで。
筋書きなしで。
事前に質問状を政党間で交換することなしに。
本来はそうあるべきです。
ところが儀式化した現状の国会でそれをやるとどんな風になるか??


国会での議員の居眠りが多かったりして形骸化されていることの理由の一つに
この「事前通告制」がよく挙げられます。
確かに国会中継などを見ていても、答弁を「言っている」というよりは、
「読んでいる」ということが多く、見ているほうもつまらない。
事前通告制をなくしてしまうのは、国会に緊張感を持たせ、議論を活性化させる一つの方策だとは思いますし、それを主張している国会議員も何人かいます。
この事前通告制は一見すると大変奇妙ですが、それなりの理由もあるようですので、紹介させてください。
まず、質問には膨大なバックデータを要します。
答える側もそうです。
質問の内容が知らされていないと、きちんとした回答が出来ず、審議がストップしてしまう、ということがあります。
国会はディベートのように勝敗を競うところではなく、
数値に基づいた反駁・回答・検証等が必要です。
どんな優秀な「選良」であったとしても、全てのデータが
頭に入っているという人はなかなかいないのではないでしょうか?
事前通告そのものを廃止してしまうのは少々乱暴かもしれません。
肝心なことは、官僚が用意した答弁をそのまま棒読みするのではなく、
知識を咀嚼し、官僚が用意したものはあくまで「資料」であって答弁は
自分の言葉でする、ということが本来の望ましい形かと思います。

官僚の用意した答弁を棒読みするのではなく、
自分の言葉で主張できる、そんな議員を選びたいです。


なお国会ではこれは慣例であって、義務では無かったと記憶していますが、
地方議会での代表質問に際する事前通告は義務だったでしょうか・・・?
吉田議員のご意見&レスを待ちたいです。
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地方議会の質問制度について /吉田 つとむ(町田市議) (04/06/14(Mon) 20:04) [7620]

 まず、地方議会の質問については、質問をするという通告はどの地方議会でも必須用件でしょう。
基本的には、その通告の内容というか、事前通告する情報の範囲の問題ではないでしょうか。

 つまり、質問するテーマの項目程度か、もしくは概要を相手に伝えるか、それとも質問を原稿の形でその全文を伝えてるかの違いであろうと考えます。
当町田市議会では、最初の「質問するテーマの項目程度」を通告する形態になっています。

 さらに、当市議会では、議会本会議の質問は、(会派の)代表質問制度を採っておらず、すべて個人質問制度にしています。
その個人質問のことを、ことの性格上、「一般質問」と称しています。

 さらに、当市議会では、この一般質問を年に4回開催する定例議会ごとに、すべての議員が行なう権利を有しています。
会議を運営する正副議長を除いた、実質議員の8割を越すほどの人数の議員が、毎定例会で質問をしています。

 その発言時間数は、自分の質問と相手の答弁を含めて、合計1時間としています。
その結果、定例会中に4日間の一般質問日を設けています。
そのため、一般質問の日は、午前10時に本会議が始まり、午後6時を越すような時間まで本会議が続きます。
それが年に4回の計算で、年間16日間はその一般質問のための日程です。

 参考資料として、私の質問通告文を添付します。
その説明をごらんください。
http://www.j-expert.com/gik/sit/2004/06.13.html
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Re[2]: 地方議会の質問制度について /野中一二(甲府市議) (04/06/14(Mon) 22:13) [7621]

>当町田市議会では、最初の「質問するテーマの項目程度」を通告する形態になっています。

(野中一二)
御邪魔します。
吉田市議さんが町田市の様子を詳しく伝えています。
私が所属する甲府市議会とは少し違うので、そこだけ補足です。
甲府市議会では、ほとんどの議員が原稿通告いたします。
つまり全文を提出ですね。
ちなみに、2年前に一応提出した通告文章を要点を変えず意訳して壇上で発言しました。
そしたら当局の、特に答弁予定の部長さんたちは狼狽していましたよ。

甲府市議会では、代表質問は会派代表者が1名、そして一般質問として設定時間の範囲内で適選できます。
ちなみに会派構成員一人あたり15分。
そして予備時間10分、ですから10人会派の私共は160分。
これは毎議会(年4回)です。
その上、無所属議員は年間2回で1回あたり40分。
これでは無所属議員に対して優遇すぎますね。
しかしここは「少数意見尊重主義」という事の伝統だそうです。

>そのため、一般質問の日は、午前10時に本会議が始まり、午後6時を越すような時間まで本会議が続きます。
>それが年に4回の計算で、年間16日間はその一般質問のための日程です。


甲府市議会では午後1時開会、閉会はおよそ午後5時です。
その間30分程度の休憩がありますが、これは質問者が2名過ぎた所で休憩の暗黙の了解があります。


最後になりますが、質問の時間は答弁を含めてという事です。
甲府市議会では再質問が出来ますが、これは原稿要りません。
当然ですね、しかし当初質問の範囲を超える事は出来ません。
そして再々質問、これで3度という事となります。
最後は当局答弁を聞くだけですが、もしここで不満であれば閉会日までの常任委員会で問いただせます。
仮に自信が所属の委員会でなくとも、仲間に付託する事が出来ます。
この常任委員会は時間無制限です、国会でも予算委員会でロッキード事件が出てきましたね。
あれです。
本会議では、パネルや資料を提示するのに議長の判断が必要です。
しかし常任委員会は、何でもあり。

これってほとんど国会と同じなのではないでしょうか。
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パネル /聞きかじり (04/06/14(Mon) 22:31) [7622]

>本会議では、パネルや資料を提示するのに議長の判断が必要です。
>しかし常任委員会は、何でもあり。

些細なことで申し訳ありません。
葛飾区議会で今、パネルが懲罰案件になっているようです。
新聞などでは、本会議にパネルを持ち込もうとした区議に議会が「けしからん」といっているような論調だそうですが、実際は本人が議運に所属していて、議運の採決を本会議でひっくり返そうとした瑕疵だと推測していますが。

パネル使用についても、ご教授願えませんでしょうか。

事前通告に関しては、議員が意図する答弁を引き出す、もしくは、議員が行政の揚げ足を取る答弁を引き出す、とっても高度な戦略の一環として必要だと思います。
お袋が大好きな中山千夏さんは、それも煙たくて議員を辞めたと聞き及んでいますが。
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本会議質問でのパネルなどの使用について /吉田つとむ(町田市議) (04/06/14(Mon) 23:48) [7624]

 聞きかじりさん こんばんは
 パネルの持込に関して、町田市議会の現状を説明いたします。

 以前は、本会議(委員会を含めて)パネルや品物を用いて説明することを認めていませんでした。
ただし、特定の議員が数人そのパネルや器物を持ち込んで一般質問を行う例がありました。

 昨年、インターネット中継を開始したことことで本会議場にTVカメラが入ったことを契機に、パネルや器物を持ち組むことを原則的に認めました。
そのときの議会運営委員会の審議経過では、TVカメラ導入時代に合わせて、むしろそうしたパネル類の持込を認めるべきだとの意見が大半でした。
どの委員の反対もなく、一致して、パネル類の持込を認めることに決定しました。
 ただし、質問前日の午前中までに、議長宛てに提出することに決めました。
一応、公序良徳に反しない限りのものは、持ち込みOKとなっています。
その経過自体を、私のHPインターネット中継の記事にしています。

 このところ、資料を掲示する議員は幾人もいますが、そのこと自体は誰からも一切気にされないというのが、当町田市議会の姿です。
やはり、議員は言葉で説明するのが本領と思われているようです。

 なお、「議運」と会議の関係が書かれていますが、そのメンバーが入った「議運」で決定した場合、それを本会議で破るのは許されないことです。
会議を円滑に進めるために、組織されているのが議会運営委員会です。
それは、議会のメンバーが一定の比率で選出されています。
そこの場での決定は絶対であり、そのルールが気に入らなければ、自分の考えを提案して、その多数派を形成するのが、議会という場のルールです。

● 聞きかじりさん
>事前通告に関しては、議員が意図する答弁を引き出す、もしくは、議員が行政の揚げ足を取る答弁を引き出す、とっても高度な戦略の一環として必要だと思います。
>お袋が大好きな中山千夏さんは、それも煙たくて議員を辞めたと聞き及んでいますが。
● 吉田 つとむ
 なお、私が中山千夏さんを最後に見たのは、昭和61年の衆参同時選挙でした。
場所は、東京都八王子市の八王子駅前。
私は衆議院候補、中山さんは参議院東京選挙区の候補でしたが、どちらも落選しました。
その後は、中山さんが選挙に立候補された記憶がありません。

 私の上記の記述が間違っているようでしたら、どなたかご指摘ください。
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Re[4]: パネル大きさに関係します /野中一二(甲府市議) (04/06/14(Mon) 23:43) [7623]

本会議にパネルを持ち込もうとした区議に議会が「けしからん」といっているような論調だそうですが、実際は本人が議運に所属していて、議運の採決を本会議でひっくり返そうとした瑕疵だと推測していますが。
>
>パネル使用についても、ご教授願えませんでしょうか。

(野中一二)
聞きかじりさんこんばんわ。
甲府市議会では議長裁量でパネルはオッケイです。
一応その大きさは全紙大、つまり新聞を大きく開いた大きさでしょうか。

これが好きな議員さんは「社民党」の方ですが。
実際は議場ではほとんど認識できません。
つまり、私から言わせるとパフォーマンスです。
事前に議長に見せて了解を取る、これは必要条件です。
サイズは、持込に対しての制約などを考えるとこれ以上大きい物は不可能なようです。

実は、過去に半透明のゴミ袋と言う問題があったとき、私が金沢市のそれを用意していて再質問でその「リサイクル半透明袋」を提示した事があります。
しかし、当局の方はそれが良く理解出来ず、適当な答弁でごまかそうとした事がありました。
そこで再々質問が生きてくるわけです。

「この袋に入れてある白い紙が見えませんか」という私の再々質問に対して、またまたごまかそうとした事で紛糾してしまい、結局その環境部長は移動となってしまいました。
この様なハプニングが自席での再質問では当然あるわけですから、パネルなどには特に気をつけます。
もちろん私の場合のリサイクル半透明ゴミ袋も、事前に議長許可を取ってありましたが。
このあたりが本会議での侮れない部分でしょうか。

もう一つ、「時間に余裕があった場合の関連質問」というのがあります。
これは自分の所属する会派以外の方の質問で、それに関連して自席で最後に質問できる仕組みです。
これも結構自説を主張するのには適した時間です。
たった15分ですが、この時間というのは少数会派が良く利用しています。

長くなりますが、議会は少数意見の方は決定した多数意見を尊重し、これを是とする。
しかし、多数意見に賛同する人は少数意見をきちんと尊重する。
このことがしっかり理解できないと、いつになってもまとまりと言うものはみられませんね。
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議会の運営 /聞きかじり (04/06/15(Tue) 09:47) [7625]

吉田さん、野中さん、ご教授ありがとうございます。

>(吉田つとむさん)
>昨年、インターネット中継を開始したことことで本会議場にTVカメラが入ったことを契機に、パネルや器物を持ち組むことを原則的に認めました。
>ただし、質問前日の午前中までに、議長宛てに提出することに決めました。
>やはり、議員は言葉で説明するのが本領と思われているようです。

>(野中一二さん)
>甲府市議会では議長裁量でパネルはオッケイです。
>つまり、私から言わせるとパフォーマンスです。
>事前に議長に見せて了解を取る、これは必要条件です。

どちらの議会も議長の許可のもとに認められていることがわかりました。
よほどひどいものではないと却下される筋合いのものではないと思います。
と同時に、言論の府である議会には無用の長物だと言うご意見でお二方とも一致しました。
議会の成果物は「会議録」であることを理解していれば、葛飾区の一件はパネルにこだわることが尋常ではない事が指摘できるように思われます。

また、議運の委員でありながらその採決結果に異議を唱える手段としての動議が「議会・議決の軽視」として問い質される事柄であることが理解できました。
近いうちに「ネットde監視、地方議会」のブログ版にまとめてみるつもりです。
http://hytn.way-nifty.com/netdekansi/
ありがとうございました。

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