八尾町は、住民投票で富山市と合併へ
(04/08/23)

<目次>
八尾町は住民投票選挙 - 吉田つとむ 08/04-23:42 No.4751
選挙運動期間と期日前投票 - 吉田つとむ 08/06-18:23 No.4752
市町村合併の進展状況、いろいろ - 吉田つとむ 08/06-21:52 No.4754
今日が、投票日 - 吉田つとむ 08/08-01:15 No.4756
Re: 今日が、投票日 - 中村重樹 08/08-19:22 No.4759
転載:八尾町では住民投票 - 中村重樹(転載) 08/09-15:06 No.4760
転載:八尾町では住民投票(結果.. - 中村重樹(転載) 08/09-15:10 No.4761
速報に感謝いたします(転載) - 吉田つとむ 08/09-15:12 No.4762
婦中町は単独の自治体 - 吉田つとむ 08/09-21:57 No.4763
婦中町の町並みの様相 - 吉田つとむ 08/09-23:10 No.4765
八尾町と風の盆 - 吉田つとむ 08/10-11:25 No.4767
八尾町と風の盆(2) - 吉田つとむ 08/10-11:52 No.4768
住民投票の選挙戦 - 吉田つとむ 08/11-00:27 No.4769
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八尾町は住民投票選挙 - 吉田つとむ 08/04-23:42 No.4751

 私は、8月3-4日と富山県八尾町をたずねていました。自分が関係する地方議員の自主的なセミナーである、清渓セミナーの実行委員会の会合出席が目的でした。

 ただし、それだけで終わらしてもったいないと考え、日本で最大の普及率を誇るCATV局を現地見学したり、夜は「おわら」の練習見学を行いました。

 ただし、実際にはこの間に行われている、富山市との合併の是非を問う、住民投票選挙の見学に、一番時間を割きました。

 この富山県八尾町には、すでに住民投票の条例が制定されており、この条例に基づいて、住民投票選挙が行われたものです。

 (期日前)投票所、選挙運動の事務所などをそれぞれ見学し、取材と資料収集を行いました。突然のことでしたが、それぞれに応対していただいた、関係者の皆さんには大変お世話になりました。

 そうした時間帯でしたが、それとは別に、友人である富山県小矢部市の中村重樹議員には、全て自分の車で同行していただき、しんそこお世話になりました。

 こうした方々にお手数をおかけしながら、自分の思いを達してきました。この後、富山県八尾町の住民投票選挙に関して、現地の取材記を少々書いてみたいと思っています。
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選挙運動期間と期日前投票 - 吉田つとむ 08/06-18:23 No.4752

 富山県八尾町が他の自治体とともに、富山市に合併する方向で進んでいました。予定では、今月末にもその調印が行われる段階に至っていたようです。

 ところが、市議会議員の判断は真っ二つに分かれました。すでに、住民投票の条例ができており、市長は、この富山市との合併の是非を問う選挙を行うことにし、その選挙は8月8日に予定されました。

 私たちが八尾町を訪問した日は、その選挙運動の開始日でした。選挙と言うっても、議員や市長を選ぶ選挙でないので、両陣営の運動が他に見える形ではうかがえない側面がありました。

 賛成、反対の両陣営の事務所があり、一般の民家には、合併に関する立場を示すポスターがありました。

 この住民投票選挙と言うのは、富山県でははじめてのようです。自称、選挙通の私でさえ、この実際の住民投票とその運動を見るのは初めてです。

 選挙の方法は、一般の公職選挙と同じであり、投票のための入場券が発行され、その券の所持でもって、投票券の発行が行われていました。これは、期日前投票の制度がどの選挙にも適用されているためで、この住民投票選挙でも、すでに期日前投票が開始されました。

 投票に際しては、期日前投票するための文書を記入して提出しますが、これも簡単な書き込みでよいとされるもので、誰にでも容易にできるものです。

 すでに大勢の人が、期日前投票でもって、投票を済ませているようです。
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市町村合併の進展状況、いろいろ - 吉田つとむ 08/06-21:52 No.4754

 国の方針では、全国にある約3,000の自治体を約1,000に纏め上げることが目標です。

 国は、合併はそれぞれの自治体が決めることしていますが、合併する自治体には、特例債を持って優遇すると言い、これから地方交付税が減少する中、財力の小さな自治体は、市町村合併の道しか残されていないような状態です。

 ということで、多くの自治体が合併の道を歩んでいます。

 町田市議会の自由民主党会派で、現地視察した「京丹後市」は、旧来の6町(峰山町、大宮町、網野町、丹後町、弥栄町、久美浜町)が対等合併し、4月1日にスタートしています。

 他に、合併の直前まで進展したのに、この8月2日になって、埼玉県南部にある川口市・鳩ヶ谷市・蕨市の場合は、その合併する新市名が納得できないと言うことで、最大市である川口市がその合併協議会から脱退するという決議が可決されたという。

 これこそ、市町村合併の現況は「いろいろ」と言っても良いでしょう。

 そうした動きに対して、政治家はそれぞれの判断をしています。合併に関して推進派もいれば、その反対派もいます。あるいは、また別の自治体となら合併しても良いとする政治家もいます。政治家とは、先を見通す人であるはずです。その分、その見通しすら立たないと言うことです。 

 さて、この富山県八尾町の場合は、どうなるか。
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今日が、投票日 - 吉田つとむ 08/08-01:15 No.4756

 あっという間もなく、富山県八尾町の富山市との合併に関する住民投票の投票日を迎えました。

 果たして、どちらの考えを支持するか、非常に興味がある点です。

 それにしても、この住民投票に関して、それぞれ「支持」を訴えた「運動」を支えた皆さん、ご苦労様でした。

 自分の仕事にせいか、とりわけ同じ議員の皆さんの頑張りに注目していました。市町村合併と言うのは、間違いなく議員の首を切ることです。こうした争いがおきた町は、合併しなかったとしても大幅に議員数を減らすことになるのではないでしょうか。

 議員は、ものをいった分に相当して、その責任を負うことになると思います。
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Re: 今日が、投票日 - 中村重樹 08/08-19:22 No.4759

>  あっという間もなく、富山県八尾町の富山市との合併に関する住民投票の投票日を迎えました。
>
>  果たして、どちらの考えを支持するか、非常に興味がある点です。
>
>  それにしても、この住民投票に関して、それぞれ「支持」を訴えた「運動」を支えた皆さん、ご苦労様でした。
>
>  自分の仕事にせいか、とりわけ同じ議員の皆さんの頑張りに注目していました。市町村合併と言うのは、間違いなく議員の首を切ることです。こうした争いがおきた町は、合併しなかったとしても大幅に議員数を減らすことになるのではないでしょうか。
>
>  議員は、ものをいった分に相当して、その責任を負うことになると思います。
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転載:八尾町では住民投票 - 中村重樹(転載) 08/09-15:06 No.4760

 掲示板(通常)に書き込まれた、中村重樹 小矢部市議会議員の記事を転載しました。中村重樹市議は、八尾町を訪問した際、全て同行していただきました。

 以下は、その書き込み文です。

Re: 八尾町では住民投票 中村重樹 - 2004/08/08(Sun) 20:20 No.4500

ご報告が遅くなり申し訳ありません。時節柄、連日のバーベキュー大会が続き酩酊状態です。(ちなみに今日は3カ所)8月6日に時間が取れたので「八尾町を考える会」(合併反対派)の総決起大会に出向いてみました。当日、賛成派はミニ集会を開催されていたようです。
参加者は180名程度でしたが、大変な盛り上がりでした。特に、反対派の皆さんは「歴史と文化に溢れた八尾町を無くしてはならない」と言う発言が多かった様に思います。そのためには多少の我慢もいとわない覚悟であるとの発言が多くあったように思います。(将来の財政に関しては視点を変えると全く変化してしまう)只、合併協議会が発足する時点で、お互いに自らの自治体の財政状況や将来にわたる計画に関する情報公開が徹底していなかったことが、今日の状況を発生しているように感じました。最も今回の合併に関しては、国が「アメ」と「ムチ」を使って短兵急に実現しようとした結果、人口2万人〜3万人規模の自治体にとってはその賛否が大きな問題を提起したことになったのではないでしょうか。
同程度の町村の合併ではなく県庁所在地の富山市を核とした今回の合併は、ブランド力のある八尾町と人口増加が際だっている隣接の婦中町(同日に住民意識調査を実施)の住民がどの様な判断をするか、今後の動向に大きな力となるでしょう。
町を2分する総決起大会の会場を後にしての帰り道、町なかの神社の境内では若者が「おわら踊り」の哀調をおびた優雅な踊りの稽古をしている様を見て、今の八尾には別の世界が存在するように思いました。
もう8時を過ぎてしまいました。投票が終了したようです。投票率が50%を越えて、住民の判断が明確に出ることを期待したいと思います。
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転載:八尾町では住民投票(結果.. - 中村重樹(転載) 08/09-15:10 No.4761

 前の書き込みに続いて、掲示板(通常)に書き込まれた、中村重樹 小矢部市議会議員の記事を転載しました。中村重樹市議は、八尾町を訪問した際、全て同行していただきました。

 以下は、その書き込みの続編(投票結果)です。

Re: 八尾町では住民投票 中村重樹 - 2004/08/08(Sun) 23:25 No.4501

八尾町市町村合併住民投票の結果

・投票率  70.07%
・合併賛成 7,352人
・合併反対 5,554人

婦中町市町村合併住民意向調査の途中経過

・合併賛成 5,000人
・合併反対 8,500人
・わからない  5%程度

八尾町、婦中町双方とも予想とは全く逆の結果が出たようです。どちらも町長の方針とは逆になりました。

取り急ぎ、御連絡いたします。
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速報に感謝いたします(転載) - 吉田つとむ 08/09-15:12 No.4762

 掲示板(通常)の記事を転載しました。

速報に感謝いたします 吉田つとむ - 2004/08/09(Mon) 09:50 No.4502

 中村重樹さん 速報の書き込み記事、ありがとうございます。この記録を見させていただくと、八尾町の住民投票結果では、富山市に合併すると言う合併賛成の立場がかなり多かったようです。

 今回、富山県八尾町を訪問した際、小矢部市の中村重樹議員の車で、あちこち訪ねさせていただきました。

 期日前投票が行われている、役場内の選挙委員会に設置された投票所、合併反対の選挙運動グループの事務所、合併賛成の選挙運動グループの事務所をそれぞれ訪問いたしました。

 選挙の応援でなく、あくまで「取材」と言うことで、事務所を訪問したのですが、どちらの陣営の方々からも、丁寧な説明をいただきました。特に、その選挙運動期間中であったにもかかわらず、遠来の訪問者と言うとこでの対応もあったのだろうと、感謝しております。また、それ以上に、同じ富山県内の中村重樹小矢部市議の同行が、相手の方々の丁寧な対応に現れていたと感じました。

 選挙の投票日前と言うこともあって、これまでの自分の意見表明はさすがに控えていました。もちろん、一般の公職選挙とは異なって、このような住民投票選挙には、文書類の配布を含めて、かなりの運動が自由となっています。

 八尾町では、合併賛成と言う明白な立場が表されました。しかも、投票率は70.07%と言うことですので、住民の確固たる意見表明となりました。

 これでもって、富山市との合併に後戻りはないと考えられます。
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婦中町は単独の自治体 - 吉田つとむ 08/09-21:57 No.4763

 こんばんは 中村重樹さん

 私も、富山県婦中町の気になって、そのHPを見てみました。すでに結果が出ており、中村さんが推測されていたように、合併反対の結果が出ました。

 もちろん、こちらは八尾町と違って、条例に基づく住民投票ではありませんので、あくまで意識調査とされています。

 それでは、この「婦中町が、富山市、大沢野町、大山町、八尾町、山田村、及び細入村と合併することについて」の町民意識調査結果は、次のようになりました。

賛成 5,097票
どちらともいえない
(わからない) 766票
反対 8,526票

 このように、合併に反対する票が大きく現れました。

 この結果によって、婦中町は単独の自治体を貫くことになります。
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婦中町の町並みの様相 - 吉田つとむ 08/09-23:10 No.4765

 この婦中町は富山市に隣接する自治体で、ごたぶんにもれず、人口増加の自治体であるそうです。

 八尾町を訪問した際、中村重樹さんに運転していただき、同様な課題を持つ自治体も訪問いたしました。それぞれの町の生い立ち、過去の合併経験、そしてこれから先の町の発展見込みによって、市町村合併といっても、その立場が異なるようです。

 さらに、それに加えて、それぞれの利害関係と、目標達成の度合いによって、合併の様相も異なってくるようです。

 たとえば、この婦中町のように、人口増加で勢いのある自治体であれば、先々自前の「市」に昇格することや、一部の自治体との合併で、市町村合併の実を取ることも可能でしょう。すなわち、財政的に決して裕福でないと考える大きな自治体に組み込まれることは、それ自身が納得できないと思えるものであったと考えます。

 この婦中町の一部の家並みを見ていると、なにか町田市の一角であるかの感じがしました。大都市に隣接する郊外都市のイメージにつながりました。この町は、まだまだこれから成長する様相を持っていました。
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八尾町と風の盆 - 吉田つとむ 08/10-11:25 No.4767

 八尾町は、養蚕で反映した古い町です。昔から、その養蚕・生糸で財を成した人を数多く輩出しています。

 地域を歩くと、養蚕にかかわる神社までそろっていました。
養蚕宮・若宮八幡
http://www.nias.affrc.go.jp/silkwave/silkmuseum/TYatsuo/yousangu.htm

 そうした豊かな産業が育成する文化の中に、この「おはら風の盆」はありました。TVドラマにもたびたび登場する光景は、夕闇とぼんぼりの光に照らされた「坂」と「商家にはさまれた道路」のイメージです。

 ですが、実際の八尾町は、この「おはら風の盆」のお祭りが行われる坂部の「旧街」、平野部の「新興地」、及び「中山間地」で構成されています。

 住民の人口の多くは、平野部の「新興地」に住んでおり、この「おはら風の盆」に直接かかわっているわけではないことも知りました。

 観光で行けば大変良いところですが、そうした風習の中で生活しているのは、極一部の地区の人たちに過ぎないと言うことも、当地の人たちと話しているとすぐにわかることです。

 なぜなら、私は九州の福岡市に長年住んでいました。そこには、この季節は「博多山笠」と言われる有名なお祭りがありますが、これも「旧博多」地域の商人の人たちが行うお祭りです。なお、私自身は、福岡部に住んでいましたが、仕事が博多人形販売の営業を長くしていました。さらに、その会社の小売部は、有名な「東中洲」(博多部の代表的なエリアの一角)にあり、そのエリアは仕事圏に入っていました。

 さて、この八尾町の合併住民投票選挙の結果を見て思うに、八尾町が富山市の一部になっても、この「おはら風の盆」は続いていくでしょうし、逆に、八尾町のままであっても、果たして、「おはら風の盆」の伝統がどのように続いていくのか、見えない部分もありました
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八尾町と風の盆(2) - 吉田つとむ 08/10-11:52 No.4768

 こうしたお祭りは、その規模を維持していくのが大変です。なぜなら、そのエリアも参加者も限定された地区で行われているものであり、概してその住民も決して増えていないからです。

 また、こうしたお祭りでは、そのお祭りにかかわる住民の資金的な負担、参加の日数での負担、関連の住民の協力も欠かせません。

 有名なお祭りですので、もとより進んで参加・協力する人もあるでしょうが、仕事を幾日も休んでの参加は、なかなか難しくなります。

 もとより、これだけの知名度をもったお祭りを行う街ですので、お土産や食事どころの数は、そこそこに街中に見かけるのですが、そうした観光で恩恵をこうむる人たちは、ごく限られた人たちに過ぎないのが通常です。

 この際、この「おはら 風の盆」をどのように守っていくか、そのことも、この八尾町の合併論議の中に大きく占めていた気がします。その中で、八尾町に留まっていただけでは、このお祭りを維持できないという考えを払拭する力が合併反対派になかった、このように思われます。
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住民投票の選挙戦 - 吉田つとむ 08/11-00:27 No.4769

 今回は、大型の市町村合併を視察すると言うことで、その選挙運動を陣営の訪問取材と言う形で、やらせていただきました。

 前にも書きましたように、「街」の将来をこの選挙で決めると言う重要な住民投票でした。

 町議会の賛否は、真っ二つに分かれた状態でした。これ以前に、住民投票条例が出来ていたため、町長はこの合併の判断を住民投票の結果に託しました。

 民意は、合併賛成と言うことでした。その理由は、いろいろあったでしょう。町の財政が厳しく、単独では生き残っていけないという判断も聞きましたし、富山市になるのであれば、「八尾町」の地名にこだわるだけの理由がない、と言う意見も見受けました。

 もっともっと別な理由が、あったかも知れません。それにしても、もっと賛否が拮抗すると考えていましたが、賛成票が反対票をはるかにしのぎました。
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