三重県四日市市長選挙・電子投票選挙の取材記事
(05/01/14)

<前書き>
 平成16年11月28日投票の三重県四日市市の市長選挙は、電子投票方式による選挙が実施された。この選挙では、三重県四日市市長・市議議会議員補欠選挙が同時に実施され、有権者数は約23万人、投票所は56ヶ所で過去最高の規模となっていた。

 人口30万人以上の自治体選挙では、初めて実施された電子投票選挙であったため、東京都・政令都市や大きな自治体関係者がは多数詰め掛ける状況であった。その関係者のまなざしは、特にその準備状況、投票の初期段階、開票作業のスムーズさ、その記録の発表タイミングなどに注目が集まった。

 結果は、大成功であった。

<見出し>
四日市市で電子投票 - 吉田 つとむ 11/27-16:31 No.5364
投票所の設置準備視察 - 吉田 つとむ 11/27-16:59 No.5365
期日前投票が終了 - 吉田 つとむ 11/27-20:52 No.5366
電子投票取材はこの時間 - 吉田 つとむ 11/28-06:03 No.5367
視察者のカメラにクレーム - 吉田 つとむ 11/28-18:31 No.5369
選挙の投票と少年の社会見学 - 吉田つとむ 11/29-19:59 No.5377
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四日市市で電子投票 - 吉田 つとむ 11/27-16:31 No.5364

 明日(平成16年11月28日)、三重県四日市市で電子投票方式による選挙が実施されます。この選挙では、三重県四日市市長・市議議会議員補欠選挙が同時に実施され、有権者数は約23万人、投票所は56ヶ所で過去最高の規模となっています。

 すでに期日前投票が行われており、本日の午後8時に打ち切りとなります。この期日前投票が出来る場所が従来は市役所内のみであったものが、今回から中心部からは離れたところでもう1ヶ所、期日前投票が行われており、今日の日程でその場所まで見学に行こうと考えています。
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投票所の設置準備視察 - 吉田 つとむ 11/27-16:59 No.5365

 明日の投票に備えて、各投票所ではその投票受付準備が進められていました。実際には、(状況説明が行われるので)見学が出来る場所は制限されており、浜田小学校の設営を見学しました。

 この投票区は有権者が5千人規模で市内で最大の選挙区のようです。電子投票機が9台設置されていました。設置中に、音声対応のヘッドホンを耳に当てている人がいましたので、9台のうちの1台は目が不自由な人に対する音声対応機能をつけたタイプになっているようでした。今まで見てきた過去のどの電子投票選挙においても、通常この音声対応機能タイプのものがおいてあります。

 また、選挙人名簿をチェックするのは、2列で行われる体勢がとられていました。それらの手続きをして、次の投票カードをもらって、それを電子投票機に入れて、投票をすることになります。

 今回は、市長選挙・市議会議員補欠選挙と2回の投票を連続して行い、同じ投票機で投票することになります。

 この2回の投票というのは、日本で最初に電子投票が行われた岡山県新見市の選挙において、市長選挙と市議会議員選挙が最初のものでした。

 なお、この四日市市の(電子投票選挙の)投票所設置の視察には、東京都の選挙管理委員会の2人もこられていました。さらに、福島県いわき市職員の人たちとは、一時同じ見学ルートを取りました。
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期日前投票が終了 - 吉田 つとむ 11/27-20:52 No.5366

 市役所本庁と健康増進センター(ヘルスプラザ)で実施された、期日前投票が終了しました。

 視察団への開放は、健康増進センター(ヘルスプラザ)が提供されていましたが、この場所は四日市コンビナートのそばであり、さらに初めて期日前投票が行われたこともあって、(市役所本庁の期日前投票者にくらべ)実際の投票者はかなり少ない人数であったようでした。

 せっかくの視察と考え、その投票受付締め切りまで見ていました。今回では、投票記録のコンパクトフラッシュが1枚ごとにプラケースに入れられず、多くのポケットがついた透明袋に入れ、さらにそれを透明の袋に入れて封印していました。

 最後は、その透明袋は、投票カードの発券機の機械を収めたケースに一緒に入れ、鍵をかけていました。

 いつ、その方式に変えたのか、ごく最近のことでしょう。
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電子投票取材はこの時間 - 吉田 つとむ 11/28-06:03 No.5367

 いよいよ、本日は四日市市の市長・市議補選があり、その選挙が電子投票方式で実施されるところです。それぞれの候補者とその支援母体にとっては運命を決するときであり、電子投票にとってもその結果が期待されるところです。

 では、まもなく、選挙の当日準備の取材に、宿泊先から近くの投票所である浜田小学校に参ります。
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視察者のカメラにクレーム - 吉田 つとむ 11/28-18:31 No.5369

 本日は、3つの投票所が視察対象先に指定されていました。せっかくですのでその3ヶ所全部と、他には外から投票所の状況を見学しました。
 指定視察先
中央第四投票所(四日市市立浜田小学校体育館)
中央第三投票所(旧納屋小学校体育館)
羽津第二投票所(四日市市立羽津北小学校体育館)

 最初の投票所である浜田小学校では、見学者が30人以上になりました。投票事務が開始される午前7時前には、一人の有権者が投票所に到着し、その受付を待ちました。

 最初の入場者に、投票箱の「カラ」状態を確認する作業に相当する、「ゼロ票」確認を行ってもらいます。これをするのは投票立会人でないのが特徴です。(これは、決まって行われることです)

 その後、数人の人たちが入ってきたところまでを、視察者はカメラを通じてみていましたが、投票カードを返却した有権者から、視察者にクレームが出ました。それは、有権者が投票を終えて、投票カードを返す時点で、視察コーナーの前を通ることになり、カメラ目線が真正面になり、それが嫌われたことにより、プライバシーの保護の観点から、好ましい状態ではなかったことはマチガイありませんでした。視察者のカメラの撮り方に、大いに反省をさせる場面でした。

 もっとも、その投票所が視察者には指定されていましたが、どのように取材してもOKというわけにはいかないのは、常識中の常識のことでした。

 その後、TVカメラも数社入ってきた頃には、大多数の視察者は引き上げていました。視察受け入れ担当者から視察者に注意もあり、それも他の視察対象投票所においても、共通して注意が喚起されました。

 その間、電子投票自体は順調に進んでいました。
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選挙の投票と少年の社会見学 - 吉田つとむ 11/29-19:59 No.5377

 選挙の投票が始まると毎回見かけることですが、最初の時間帯は比較的に高齢者の投票が多く、午前9時を過ぎた頃には主婦の人たちも増えてきます。

 一人で選挙に来る人、夫婦でやってくる人たち、親子でやってくる人たち、それも高齢者の人を介助して選挙にやってくる人たちと投票所に足を運ぶ人は様々であり、自分の選挙区でないのに、そうした人々に頭が下がります。

 それらの中で、小さなお子さんを一緒に連れてやってこられる父母も大勢見かけるところです。今回の選挙で次のようなことがありました。中学生が親についてきていたのですが、選挙の受付のところで入場を断られました。投票の秘密性からすると当然のことですが、「電子投票」というものを社会勉強として見に来たようです。私は、「こっちで見学できるよ」と呼び込みに行きましたが、どうも「選挙」がいささか嫌われえたようです。どうも、中学生のデリケートな心に不快感を残してしまったようです。

 こんなことで、選挙を嫌いにならなければ良いのですが、今も気になっています。
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