ユニバーサルファッション協会5月定例会のレポート
 SUDIが作ったほねガード衝撃吸収パンツ(三宅菜緒・大学2年)

<経過>
 この記事は「ユニバーサルファッション協会」の5月定例会を、その参加者の一人である「三宅菜緒」さん(大学2年)がレポートしたものです。私のレポートが間に合わず、依頼して書いていただきました。よくまとまったレポートになっており、感謝しています。

 ちなみに、当日の吉田つとむは協会のカメラマン役をやっていました。その撮影した成果?は、来月の「ユニファ通信」に掲載されるでしょう。以下、その本文です。

<本文>
 ユニバーサルファッション協会5月定例会のレポート(三宅菜緒・大学2年)

 SUDIが作ったほねガード衝撃吸収パンツは大腿骨頸部への衝撃を防ぐための下着型プロテクターである。

 現在、高齢者の寝たきりの理由のうち12%が転倒による骨折であると言われており、さらに骨折またはそれに伴う寝たきりが原因となってうつ病などの精神的疾患を引き起こしている例も多くあるという。

 年をとるほど大腿骨頸部が折れやすくなり、これがきっかけで寝たきりになる人は平成4年の時点で9%、平成13年には12.4%と増加しており、極めて深刻な問題である。高齢者の骨折防止のために必要な要素としては転倒しても良い体づくり(運動)、転ばない環境づくり、そして転倒時に備えたプロテクターの装着の3つがあげられる。 このように、時代は、介護→予防介護へと変化してきているのである。そこに目を向け作り出されたのがほねガード衝撃吸収パンツなのだ。新聞や雑誌、TVなど各種メディアで取り上げられ、その度に問い合わせが殺到。大反響を呼んだ。購入者は団塊世代が多く、母親や友人へのプレゼントとして購入するケースが多いという。

 このパンツは下着として着けるものなので、外見からはつけている事が全くわからず、また着けている本人も異物感をほとんど感じない作りになっている。主な開発コンセプトは、より軽く、柔らかく、十分な衝撃吸収力を、である。一般に4000ニュートンの衝撃で骨は折れると言われており、そのデータを元にSUDI、(株)事業創造研究所、医療機関、910desing、NAIGAI等いくつもの機関が調査や研究を繰り返し、協力しあう事により完成に至った。

 SUDIはこのパンツの他にも、転ばない靴、強化ウォーキングシューズ、ヘルメット、サポーター、はらまき調ヒッププロテクター、スノボ用品、紫外線避け帽子などの開発に向けた取り組みも行っている。ユニバーサルファッションには認知度が低かったり取り入れる事にためらいがある人が多かったりと今だに問題は多く残る。しかしこのパンツの購入者からは外出に対する恐怖心が軽減された、ぜひ友人にも勧めたい、など喜びの声が多数寄せられている。ユニバーサルデザインアイテムはすべての人が自立し、より良く幸せな生活を送るための一手段として、今後さらなる広がりを見せてゆくのではないだろうか。(以上)



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