商店街活性化の議論のやり取り
(07/06/30)

<以下の議論の前提について>
 以下の記事は、掲示板で行われた商店街の活性化に関する議論です。町田市の中心地はにぎわっていますし、他の地方都市と言われるものとはまったく違った状況です。
 ただし、いわゆる商店街が流行っているとはこれまた言える状況でもありません。そこのところが、議論の発端でしょうし、「吉田つとむ」の見解自体が「ピントはずれ」と称されるゆえんでしょう。
 私の考えの基本は、「その考えが、どんなにすばらしい構想や分析であっても、その主体はだれが担うのか」、特に商業活動の場合は、それで当事者は本当に所得が確保されるのか、という観点です。誰しも、他の人の収入、所得が増える見通すなしに、どのような構想を提示しても商売人の心はつかめないのではないでしょうか。
 日本の農業政策がしかりです。
 他方で、私が居住するエリアやその近隣で地区では、元の商店街の店舗に「学習塾」が入居し、営業する!光景が多数みられますし、また、その数が間違いなく多くなっています。これは、需要を見込んだ供給者が続々出現している状況を示しています。
 では、ともかく、上記の議論の推移を列記します。 --------------------------------------------------------------------------------
商店街の活性化の議論 投稿者:吉田つとむ 投稿日:2007年 5月20日(日)16時56分8秒
書き込みに対しピントのずれた反応 投稿者:佐々木小次郎 投稿日:2007年 5月20日(日)14時08分17秒
商店街は消費者の必要性をつかんでいるか 投稿者:吉田つとむ 投稿日:2007年 5月20日(日)10時33分48秒
私の既存商店街の活性化案は無店舗販売移行を意味するものではありません 投稿者:宮本 武蔵 投稿日:2007年 5月20日(日)10時05分16秒
商店街の「無店舗販売」の移行提案なのですか 投稿者:吉田つとむ 投稿日:2007年 5月20日(日)08時57分33秒
既存商店街の活性化 投稿者:宮本 武蔵 投稿日:2007年 5月17日(木)01時05分33秒
昔ながらの雰囲気を残す既存商店街 投稿者:吉田つとむ 投稿日:2007年 5月13日(日)23時54分40秒
エリア発展のための装置として 投稿者:kodama 投稿日:2007年 5月 9日(水)17時08分4秒
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商店街の活性化の議論 投稿者:吉田つとむ 投稿日:2007年 5月20日(日)16時56分8秒

 「書き込みに対しピントのずれた反応 投稿者:佐々木小次郎 投稿日:2007年 5月20日(日)14時08分17秒」という書き込みをいただきました。

 私の質問自体が「ピントはずれ」と指摘されました。それはそれでかまいませんが、この種の議論はこの掲示板の中でも以前から何度か指摘していることです。なぜなら、当事者である商店経営者の収入がどの程度確保されるのか、ということの議論をさておいては商店街の活性化はないものと思っています。あるべき商店街活性化の方向を示されても、消費者が商店街から商品を買わずして意味がありません。

 以前にも、私が住んでいる成瀬のスーパーの片方が閉店して不便になったという方がありましたが、スーパーにしてみれば豊富な購買が続いておれば閉店はなかったはずですし、他のスーパー店舗の進出があったでしょう。やはり、この地域のこのスーパーでは近隣消費者の需要に見合った店舗形態ではかったとスーパー側は判断したもの思います。なぜなら、そのスーパーは全国的に縮小しているのでなく、他の地域では大いに進出の例もあるからです。

 ましてや、商店街店舗を構成するのは、夫婦かそのどちらかが店舗に立っていると言うのが現実です。大企業のように、何か新規事業の実験をする資金的・人的な余裕はまったくありません。このことを前提にスタートしないと、商店経営者を動かすことは出来ません。それとも、この際、思い切って業容の転換を図らない商店街店舗は壊滅する、こうした指摘の上でしか、商店街活性化の話は成り立たない、こうした立論から再スタートを切るのか、さて、どのように考えるべきでしょうか。

 私は、後者の想いを強く持って、商店街活性化の意見をしています。
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書き込みに対しピントのずれた反応 投稿者:佐々木小次郎 投稿日:2007年 5月20日(日)14時08分17秒
吉田さんは、宮本武蔵さんの商店街活性化に関する
以下の3項目の活性化提案の書き込みに対し・・・・
1.御用聞き、配達を対面でやる
2.お客様の家族構成、趣味などを徹底的に把握して提案型セールスする
3.コンシェルジュとなって、お客様に情報を提供する
要するに、これからの高齢者を狙って密着型の販売活動をする。
これが生き残る道と思う ーーー宮本武蔵さんの書き込み

吉田さんの驚くべきピントのずれた反応文:その提案は端的には、商店街の「無店舗販売」形態への移行提案と理解しましたが、その趣旨でよろしいのでしょうか。

宮本武蔵さんは、心が広く人格者なので、怒ることなく、淡々として其の目的とするところを、ピントはずれの吉田さんに回答しています。先日もピントはずれのレスがありましたが
今のうちに、ピントの是正をしないと素浪人のままで終わるのでないでしょうか?
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商店街は消費者の必要性をつかんでいるか 投稿者:吉田つとむ 投稿日:2007年 5月20日(日)10時33分48秒

 商店街に関する書き込みの続きです。このやり取りで、「私の既存商店街の活性化案は無店舗販売移行を意味するものではありません 投稿者:宮本 武蔵 投稿日:2007年 5月20日(日)10時05分16秒 」との書き込みをいただきました。その中に、「お客様の相談に”商売抜きの本音”で対応し、お客様の趣味思考を長い付き合いの中で、いちいち聞かなくても、よく知っている。」という部分がありました。

 確かに、「商売抜き」の感覚は必要でしょうが、商店にとってみれば買っていただいてこその顧客です。消費者から見れば、果たして商店街に自分が必要する商品があるか、商店から説明を受けるようなタイプの商品があるのか、このことがずっと問われてきた、商店街が低落してきた原因ではないでしょうか。

 ここまで来ると、商店街は商店経営者にとって果たして自分の利益(所得)を生み出してくれるものか、それとも店舗を売却するか、何の業者でも良いから賃貸にまわすか、その選択が差し迫った課題ではないでしょうか。

 以下、否定的に見るわけではありませんが、関連の状況説明です。

 つくし野駅前の商店街はいまや大小の学習塾が立ち並ぶ通りになっています。私が住む成瀬が丘地区においても、似た傾向が出初めています。地方のシャッター通りは別にして、一見店舗風に見える建物も現実には教育産業が商店街に進出してきている姿となっています。これらの存在は、少なくとも「商店街」の繁栄とは種類が違うものでしょう。
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私の既存商店街の活性化案は無店舗販売移行を意味するものではありません 投稿者:宮本 武蔵 投稿日:2007年 5月20日(日)10時05分16秒

今朝20日のスレッドで、私の”既存の商店街活性化策”が商店街の「無店舗販売」形態への移行提案か否かの確認がありました。決してその様なことを意味するものではありません。
大型量販店、コンビニエンス、ネット販売に対抗する為に、これらの組織でまねの出来ないこと。すなわち、膨大な手間と、個人情報保護法の壁で出来ないことをやりましょう、ということです。

私の知る限り、お客様との直接の接触機会を手間を惜しまずに心がけている販売店は
繁盛しています。それは、ビフォアサービスとアフターサービスのレベルが大型量販店、コンビニエンス、ネット販売とは比べ物にならないからです。お客様の相談に”商売抜きの本音”で対応し、お客様の趣味思考を長い付き合いの中で、いちいち聞かなくても、よく知っている。そして、商品に問題があったときは、サービスセンターが対応するのでなく、直接店の主人が出向く。このように、お客様との対話(これはISO9000の最新版では、非常に重要視されています)を最も最優先させることが、既存商店街の活性化の道と思います。
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商店街の「無店舗販売」の移行提案なのですか 投稿者:吉田つとむ 投稿日:2007年 5月20日(日)08時57分33秒
 「既存商店街の活性化 投稿者:宮本 武蔵 投稿日:2007年 5月17日(木)01時05分33秒」の書き込みをいただきました。

 低迷する既存の商店街に関して、その振興策を提案いただきました。ありがとうございます。不明な点があるので、最初に現状の問題を指摘し、最後に私の質問を書いています。よろしくお願いいたします。

 商店街と言っても、大きな都市の中心商店街とその都市の周辺商店街、あるいは中小都市の商店街では、果たして同じ商法でよいのだろうか。まず、そうした問題意識を以前から持っています。

 ここで、宮本武蔵さんがご提案なさっている「既存商店街の活性化」はそうした商店街の規模や都市の大小を越えた形で提案されているものだと理解をしています。

 まず、私は「商店街の存在の前に商店がある」と言う認識を持っています。地元の商店街などではいつも、商店街全体の振興が言われており、人を集めるとしてお祭りの開催などが熱心に討議されいます。そのお祭りでは、大勢の商店の人出をかけて確かに「人」を集めていますが、「消費者」が集まっているわけではない、と言う事態が起きています。現に、そこに来た人が熱心に商店の商品を見て回ったり、お祭りの後で商店の常連になった話を聞いたことがありません。非常にシビアなことを言いますが、それが現実の消費者行動です。

 そのことを踏まえて言うならば、生き残りたい商店や成長したい商店はどのような販売施策を取り入れるべきか、このように考えるべきだと思っています。

 最寄の消費者にとっては、まず各所の「コンビニエンス」と「100円ショップ」が日常的な買い物場所です。また、少し足を伸ばしたところには、大型の「ショッピングセンター」、「ショッピングモール」、あるいは「パワーセンター」があります。それとはまた別に、薬品や飲料、その他の雑貨物を対象にした「ディスカウントショップ」が各地に立地しています。

 そうした店舗形態の販売業者のほかに、配達を主体にする「生協」の無店舗販売や「食材配達」などの会員型配達販売業や、あるいは高齢者施設、同業者の宅配業務も積極的に行われています。

 それ以外にも、「通信販売」、「ネット販売」が熱心に消費者を自社に勧誘しているのが実情です。それらで商品を購入する消費者もかなりの数になっています。

 ところで、既存商店街の商店は、夫婦か片方の一人で店舗販売するのが大半の店です。まれに人を雇っても、物販では1〜2名が最高でしょう。そうした状況下、改めて、「既存商店街の活性化 投稿者:宮本 武蔵 投稿日:2007年 5月17日(木)01時05分33秒」を見ると、その提案は端的には、商店街の「無店舗販売」形態への移行提案と理解しましたが、その趣旨でよろしいのでしょうか。
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既存商店街の活性化 投稿者:宮本 武蔵 投稿日:2007年 5月17日(木)01時05分33秒

大型店でまねできないことをするのが一番。
まね出来ないことを列挙する。

1.御用聞き、配達を対面でやる
2.お客様の家族構成、趣味などを徹底的に把握して提案型セールスする
3.コンシェルジュとなって、お客様に情報を提供する
要するに、これからの高齢者を狙って密着型の販売活動をする。
これが生き残る道と思う
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昔ながらの雰囲気を残す既存商店街 投稿者:吉田つとむ 投稿日:2007年 5月13日(日)23時54分40秒

「エリア発展のための装置として 投稿者:kodama 投稿日:2007年 5月 9日(水)17時08分4秒」の書き込みの中に、「昔ながらの雰囲気を残す既存商店街」という部分がありました。

 商店街の発展については、大変関心深い分野であり、かつまた、持たなければならない対象と考えています。

 石原都知事は、2期目以降くらいから商店街に関心を持って対応されています。特に、アメリカ流の大型ショッピングセンターが繁盛している事に敵愾心を持って、その規制を主張する立場にあります。

 とは言え、大型のショッピングセンターやモールをいまさら新規に規制して、自動的に既存商店街が再発展しうるかと言えば、そう簡単にはいくはずもありません。なぜなら、日ごろ商店街で買い物をした事もない人が、その商店街で買い物をする人を増やす算段をしているわけですので、絵にもちを描こうとする行為にしかならないでしょう。

 要は、いまどき商店街で設けようとすることが本当に可能なのか、その道筋をはっきり示さないでは、土地を持った商店主はそこにマンションを建てるほかないものと考えます。

 政治にある者は、評論家であってはいけないとの主張がありますが、商店主の人たちに破滅の道を進めるわけにはいかない、やはり、人の財産は不可侵だと思っています。当事者に納得がいく話である必要があるわけです。
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エリア発展のための装置として 投稿者:kodama 投稿日:2007年 5月 9日(水)17時08分4秒

多摩都市モノレールに限らず、新しい鉄道路線を敷くということは鉄道空白地
域に対して公共的で定時性があり、そこそこのボリュームを輸送することがで
きるアシを提供する……というのが第一の意味です。第二の意味としては、新
しい「人の動線」を創造することが挙げられます。この二つの点について
「しっかりとした需要予測」を行い、「現実的な投資」が行われるならば多摩
都市モノレールの町田延伸は賛成です。

町田市の北部にお住まいの方は、町田指向から離れて多摩センターであるとか
小山ヶ丘〜南大沢あたりに最近増えた商業施設にお買い物に行かれることが多
くなっています(その傾向は20年前多摩センターにヨーカ堂ができてから、
ですが)。多摩都市モノレールが町田に延伸されることによって、そういった
地域の町田指向が復活すれば、町田駅周辺の商業地域にも多少のメリットはあ
るでしょう。丘陵地に住宅地や団地がが造成されたは良いけれど、年月を経て
住民が高齢化すると「アシ」の問題が出てきて、どこかに買い物に行こうとか
思わなくなる……といった問題に対しても、ソリューションのひとつになり得
ます。

また、小田急多摩線の相模原延伸などと組み合わせ、なおかつ既存バス路線の
活用なども図ることができるなら、町田や多摩センター、古淵、相模原、橋本
といった商業地が限られたパイを奪い合うのではなく「面」として機能するこ
とで市民が渋滞とは無関係に円滑に移動・回遊できるようになれば、エリアと
しての魅力を高めることができるのではないでしょうか。

町田や多摩センター、古淵、相模原、橋本といった各商圏のうちのどれかひと
つが「オンリーワン」や「ナンバーワン」になるのは無理です。むしろ面の中
での確固たる「ワン オブ ゼム」として機能したほうが未来があると思いま
す。その「確固たる」を実現するための要素として、駅から近い芹が谷公園お
よび版画美術館、(いつできるのか知りませんが)東急百貨店をリニューアル
して誕生する東急SC、そして昔ながらの雰囲気を残す既存商店街などが上手
く機能すると良いのですが。

そういったことを考えると、単純に多摩都市モノレールや小田急多摩線を延伸
するのではなく、多摩センター〜町田間や、唐木田〜相模原間に高速運転も可
能なLRTを敷設するという選択肢もあるのではないでしょうか。

長々と書いてしまいましたが、「(1)自動車に頼らない公共輸送機関の確
保」「(2)エリア全体の発展」「(3)その中における町田駅前の確固たる
地位の確立」を図るための「手段・装置」として、「現実的な投資のもと」で
モノレールなりLRTが作られるなら、個人的には賛成です。

しかし、話の出発点をわかりやすく語りかけることができなければ「何か建設
したいだけなんでしょ」「また無駄金使うんですか」と思われるのもしかたが
ありません。だから酋長や政治家は「語る言葉」を持っていなくちゃいけない
んだと思います。

そういえば古宮としおさん、むかし「モノレールは古宮方式で」って元気に演
説していたのを今でもよく覚えています(笑)
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