● 私鉄沿線の夜間無人化に対し、改善を要求中。

◎ 主な経過と、要旨

 東京の郊外に位置する町田市は、都心から三本の私鉄が通り抜けています。北側から、京王線、小田急線、それに東急の田園都市線です。それぞれの始発は新宿や渋谷から出ており、町田は通過点として位置しています。また都心部では、地下鉄線とも相互乗り入れをしており、大変利用者が多い鉄道となっています。町田の中や一部神奈川側では、それぞれに横浜線と交差しており、人の行き来が大変多い地区でもあります。

 そうした中で、比較的に近隣の住宅に住む鉄道利用者を対象にした、つくし野駅、すずかけ台駅、つきみ野駅で、機械化による夜間の無人化が計画された次第です。若干の試験期間を経て、サービスマネージャーというサービスマンが、利用客の集中する時間帯に対応する体制が取られました。9時をさかいに、無人の駅に変わりました。

 それに対して、駅の利用客から、始発から終電まで人員を配置してほしいという要望が大きくなりました。

 地域の利用者で、「駅の安全を求める署名運動を堆進する会」が組織され、近隣の大半の市議会議員も参加しています。駅頭で、地域で、自治会組織を等して、署名が集められ、1万7千人以上もの氏名が集まったという次第です。平成12年6月14日に提出されました。

 東急から回答を求める席にも同席し、この運動に賛成する立場で、わたしもささやかな発言を致しました。皆さんの意見と、私の印象を取り混ぜると、東急という会社は格式張った会社だなと言う気がしました。会社の上層部の立ち会いはなく、再三、「駅の安全を求める署名運動を堆進する会」と話しておきながら、一方的な改善措置(夜の10時まで、人員配置をする)を駅構内に掲示するという手法を取りました。 

 解決方法が、利用者が求める時間帯と大きく異なっており、先のように、利用者との対応が対等の関係でなく、一方的な態度であり、利用者側の反発を買っています。本来ならば、話し合いの中で、答えを出して行くべきものと考えます。

◎ 見出し

  1 経過

  2 問題としている点

  3 東急の態度

  4 資料1 東急への署名要望書

  5 資料2 東急に回答を求める書面

  6 東急の回答書

 

1 経過

経過に就いては、主な経過の欄をご覧ください。

特記事項、 

1 署名数 17,395 名分を東急に提出

2 署名参加議員 近隣の大半の議員がこの運動に賛同し、顧問となる。

  吉田つとむは、会社交渉にも参加。

3 平成12年7月9日段階で、7月11日(火)より、夜の10時まで延長と掲示。  

2 問題としている点

 住民サイドが最も要望しているのは、(夜間の)治安上の問題を最大課題としています。要望書の文面でも、一点に絞り、駅員を始発から終電まで配置することと明白な要求を出しています。

3 東急の態度

 住民側が挙げる会社への不信感に、対応が課長級か、それ以下であることがまずあれます。また、文書が会社の書式を取った形でなく、個人の対応とした形式となっています。今回は、サービスマネージャーの配置を時間延長する計画を、交渉してきた相手でなく、一方的に、駅の構内に張り出す形式を取りました。

 今回、利用者宛に、サービースマネージャーの配置を1時間延長し、夜の10時までとしました。この間、直接交渉の当事者である、「駅の安全を求める署名運動を推進する会」に回答しないことが不思議です。社の方針の中で、なぜ、このようなスタンスを取るのか、疑問です。

 たまたま、私は東急電鉄の株式を所有していますので、次回には株主総会に出席し、この方式が全社的に行われているのか、これからもこのようなスタイルを保持して行くつもりか、問いたいと思います。ただし、株主総会は終了したばかりであり、来年の話になりますので、別途の方策しかありません。再度、会のメンバーは、東急に出向くことになりそうです。

 

4 資料1 東急への署名要望書

    (本文)

東京急行電鉄株式会社
 代表取締役 清水 仁 様
 

  1.                  駅の安全を求める署名運動を推進する会
                                     責任者   (5名を列記)

                    要望書

     町田市の南部と、隣接する大和市の一帯は、東急田園都市線がつくしの駅、すずかけ
    台、南町田駅、つきみ野駅と延長されるのに伴って発展した地域として知られていま
    す。そして、田園都市線は、他に代替えのきかない交通機関として、通勤、通学、また
    都心への交通機関として利用されてきました。沿線の人々は、田園都市線が便利である
    だけでなく、利用しやすく安全で信頼できる交通機関であることを願っています。
     ところ人々の期待に反し、昨年末、4駅で、機械化伴う駅員の整理が行われることが
    判明しました。このことを知った利用者から危惧の声が高まったことは当然のこ
    とといえましょう。

     利用者・住民の危惧の声を受けた市当局の要請もあって、去る1月8日から東急電鉄は
    「新しいサービスの説明会」を開き、新しい体制に付いて説明されました。しかしなが
    ら、その中では安全や治安についての対応がどうなるのか、納得できる説明が無く、こ
    の問題についての質問や要望が多数出され、東急電鉄からも何らかの対応を検討して返
    したいとの回答がありました。
     しかし、現在まで東急電鉄からは何ら回答が無く、1月16日から、要望していた安
    全と治安対策がなされないまま本実施されています。

     去年の10月の試行期間の1ケ月間に、つくし野駅とすすかけ台駅から利用者がイン
    ターホンを利用した件数は、3255件(東急電鉄資料による)にも上ったことが分かりま
    した。その内容は、券売機や改札のトラブルをはじめ、「救急車を呼んで欲しい!」ま
    で多岐にわたっています。また、最近でも、つきみ野駅やあざみの駅で人身事故があり
    ましたが、このような事故が発生した時、新しく配置されたひとりのサービス・マネー
    ジャーで対応できるのでしょうか。
     悪質な犯罪が多発している昨今、夜9時から早朝7時まで、基本的に駅員がいなし駅
    を、安心して利用することができません。

     どうか、「東急の駅は、安心して利用できる駅」という信頼を取り戻していただき
    たく、次のことを要望いたします。               ̄

                    要望事項                    

    1、つくし野駅、すずかけ台駅、南町田、つきみ野の4駅に、始発から終電まで、駅員を
      配置してください。

     以下、署名欄。その他の説明や、連絡先の記載。

 

5 資料2 東急に回答を求める書面

     (本文)

東京急行電鉄株式会社                            2000年6月8日
 代裏取締役社長清水仁様
                         「駅の安全を求める署名運動を堆進する会」
                            代表者の氏名と住所が記載
拝啓                             、
 初夏の候、東京急行電鉄の皆様には、ご多忙の日々をお過ごしの事と存じます。日頃、貴電鉄を利用させて頂き有り難うございます。
 既に、貴社の交通事業部 鉄道部 営業管理課長 ○○○様(吉田が伏せ字にしました)から、田園都市線の駅の安全を求める署名運動についてお聞き及びかと存じます。
 又、貴社の担当役員の方に直接にお会いした上で、著名人りの要望書を提出したい旨を町田市都市緑政部を通じて、再三にわたりお願いしておりますが、依然として、長津田駅長並びに○○課長の皆様のスタッフで受理するとの回答を伺い、払たち「駅の安全を求める署名運動を推進する会」では誠に残念に思っております。

 私たち田園都市線を利用している沿線住民一同は、駅の安全と治安を願って終日にわたって駅務員を配属していただきたい事情を、署名付き要望書を提出の際に、率直にお話申し上げる機会を傾きたいと願っている次第なのです。
 然し、貴東京急行電鉄としてこの要望を受け入れることが出来ないという社内事情であるならば、来る6月14日(水)の要望書提出に際して、

 1)貴清水社長宛に提出する要望書であり、「社長、もしくは担当役員の代理として」の受領書を、当日頂きたい。
 2)要望書に対する回答文を、社長名で6月末日までに頂きたい(自治会の回覧に使用します)。
   これらの事項をお願い申し上げます。

 この会の趣意書や要望書(署名されていない白紙)をさる5月22日の事前打ち合わせ会でお渡ししておりますので、払たち市民一同の願いは十分にご理解いただいているものと存じます。
 現在の社会情勢の中で、貴社が駅務員をサービス・マネージャーに切り替え、且つ、21時以降から翌朝7時まで、無人の状態において電車を運行しておられることに対して、利用者側からの問題提示を行なって、今後の鉄道運行のあり方などについて、円満に話し合っていきたいという市民の要望を、是非ご理解いただきたいと願っております。

 私たち市民にとって、貴社が警戒心を抱いておられて、担当役員の方々が会合に出席されないとすれば、大変残念であります。払たちこの沿線の住民は、貴東京急行電鉄のお陰をもちまして、今日まで生活に必要な交通の利便を享受してまいりました。
 そこで、これを機会に運行管理を担当しておられる役員の方々との交流の機会を得て、今後共、交通や街づくり等について話し合う場があればと願っております。そして、行政も同様の意向であります。

 貴社として、社内事情があろうかとは思いますが、貴社並びに、払たち田園都市線を利用している沿線住民と、安全、治安面を含むより良きコミュニティーの形成に共に携わっていきたいと思っておりますので、ご賢察いただきますよう宜しくお願い申し上げます。
 文書によるお願いで失礼申し上げます。                

                                                   敬具

[写し]町田市都市緑政部長、町田市南地区の市議会議員

6 東急の回答書

駅の安全を求める署名運動を推進する会
    代 表  ○ ○  ○ 様
                                       平成12年 6月29日

                          東京急行電鉄株式会社
                            交通事業部鉄道部  
                             営業管理課長  ○ ○ ○

 いつも東急線をご利用いただきありがとうございます。
 さて、弊社線をご利用になるお客さまは、少子高齢化による人口減少や就業スタイルの
変化などの影響により8年連続で減少しております。弊社といたしましてはそのような
状況のもとでお客さまに低廉な運賃でご利用いただくためにさまざまな努力を続けてまい
りました。
 このような中、今後到来する高齢化社会に備えるとともにお客さまへのサービスの充実
を図るため、つくし野、すずかけ台、つきみ野の3駅に1月16日より弊社線で初めてサ
ービスマネージャーを配属いたしました.
 高齢化社会に伴う、高齢者の雇用の確保も社会的課題になっております。サービスマネ
ージャーは経験豊かな弊社OBがほとんどであり、従来の駅係員と何ら変わるものではご
ざいません。                             ・
 券売機や改札機などのお問い合わせにつきましては、長津田・中央林間駅の係員が対応
させていただくことにより、サービスマネージヤ←は自由に駅構内を巡回することができ
るようにいたしました。これにより、目的地までのご案内や運賃、電車の発着時刻のお問
い合わせ、またお忘れ物の捜索など、今までお客さまからご要望の多かったサービスにお
応えできるものと考えております。
 今回ご要望いただいております安全の確保につきましては真蟄に受け止め、巡回の強化
や設備の改善を図るほか、お客さまのご利用状況を見ながら、サービスマネージャーによ
るご案内の充実のために配置時間の見直しを図る方向で検討してまいります。
 なおエレベータの設置につきましても、本年度は南町田駅に設置し、順次他駅にも設置
する方向で検討してまいります。
 またサービスマネージャーのご利用方法などのPRも引き続き行い、サービスの向上を
めざして今後もお客さまにご満足いただけるよう努力してまいりますので、ご理解のほど
お願い申し上げます。
 なお、弊社の職務分掌上、鉄道部営業管理課長の私よりご回答申し上げます。
                                               以   上

 資料は、全てOCRで読み込んだものです。機械的な誤字はお許しください。

◎12/07/10  g61207101 (「私鉄沿線の夜間無人化に対し、改善を要求中。」の記事は、この行で終わります)