災害の救援ボランティアの心構えとその準備
(04/11/29)

 私が新潟県に出向いている際に、町田市議会の同僚である石井 恵子議員の書込みがありました。この石井議員は、最近インターン生を受け入れ、そうしたインターン生には私より人気が出ている議員です。こうした書き込みをなさる積極さが、人気を生み出すその特徴なのでしょう。

<見出し>
ボランティアのスタイルについて - 吉田つとむ 11/14-22:30 No.5263
1.災害発生と同時に出動する場.. - 吉田つとむ 11/14-23:33 No.5264
2.災害発生のライフラインの復.. - 吉田つとむ 11/14-23:34 No.5265
小グループの中でその活動 - 吉田つとむ 11/15-00:03 No.5266
この時期のボランティアの持ち物 - 吉田つとむ 11/15-00:26 No.5267
ボランティアセンターの指示と新.. - 吉田つとむ 11/15-09:21 No.5268
遠距離からの応援とキャンプ地 - 吉田つとむ 11/17-01:26 No.5301
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ボランティアのスタイルについて - 吉田つとむ 11/14-22:30 No.5263

 私が新潟県に出向いている際に、町田市議会の同僚である石井 恵子議員の書込みがありました。この石井議員は、最近インターン生を受け入れ、そうしたインターン生には私より人気が出ている議員です。こうした書き込みをなさる積極さが、人気を生み出すその特徴なのでしょう。

 さて、掲示板(通常)に書込みがあった記事の全文をまず引用いたします。

Re: 今日から新潟に出発 石井 恵子 - 2004/11/12(Fri) 16:26 No.4929

神戸震災の時、ボランティアをなさっていたという吉田つとむさんにちょうど、お伺いしたいと思っていました。やはり、今回新潟もいかれましたか?
 まず被災地にいくには、自活できる衣食住の用意(滞在期間分の食料、テント、自炊用品など)をもっていくこと、そして、もちろん被災者への補給品をもっていくのだそうです。すべての用意をもっていないので、私は、それだけで、10〜20万円くらいかかそうです。それら準備のことまでしりませんでした。お帰りになったら、それらの情報もおしえてください。
 では、お怪我のないように、ご無事で。
(以上、引用)

 以下は、それに対するレスを書き込む時間がありました。以下は、その全文です。

石井さん こんにちは 吉田 つとむ - 2004/11/13(Sat) 15:43 No.4930

 石井恵子さん こんにちは 書き込みありがとうございました。

 私は、すでに石井さんが書き込みをしていただいた昨日のその時間には長岡市に入っていました。到着は、正午ころでした。今回は、議会の視察でもなく、ボランティアでもなく、とにかく個人で来ています。市議会の規定では、「旅行」(?)というものに相当します。長岡に到着して一巡後、町田市議会事務局の庶務担当者に、新潟県中越領域に出向いている旨を電話しました。

 なお、石井さん 今回はボランティアとしてきているのであり、それに沿った形での訪問です。また、阪神大震災のときと違って、震災後すぐに震災地に到着したわけではなく、自分なりの情報収集した上での訪問です。特にインターネット情報を閲覧してからの訪問であることが、阪神との大きな違いです。

 危険はないかと言われると、「ほとんど危険はありません」というのが適切な応えです。ただし、こちらに来て、精神面で引き締まり、風邪はほとんど治まりました。

 おいおい、議論掲示板などに記してまいります。
(以上、自分の書き込みの引用)

 そこで、まずは災害ボランティアについて、考えて見ましょう。
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1.災害発生と同時に出動する場.. - 吉田つとむ 11/14-23:33 No.5264

タイトル:1.災害発生と同時に出動する場合、緊急事態。

 ここでボランティアの範疇の対象とするのは、基本的には自分が決断して、個人の責任の範囲で災害地に赴く人を対象にしたいと思います。

 この対象の入らないのは、公務員の人が職務上で派遣された場合や、企業の要請でその会社員が現地に出向いた場合を除いています。商工会議所のメンバーや建設業界の団体メンバー等で現地の応援に出た場合は、ケースバイケースと考えます。

 まず、災害ボランティアで応援に行く場合、まずはその応援の時期を検討してみたいと思います。

1.災害発生と同時に出動する場合、緊急事態。
2.災害発生のライフラインの復旧過程の時期。通常の応援事態。
3.大型の災害で仮設住宅などへの居住がある場合。遅延応援の事態。

 上記のように分けて考えました。

1.災害発生と同時に出動する場合、緊急事態。
 この時期には、食事や仮眠・就眠、トイレの使用の制限などの事態が起きており、応援ボランティアは、自分が応援しながら、自分のことは自分で面倒を見ることが出来る能力と気力と、資金を準備できる人になります。

 代表格では、神戸元気村のリーダーの皆さん方でしょう。(今回も、いち早く被災地の到着して、ベースキャンプを設営したようです)
 身近なところでは、町田市にある社会福祉法人の協同学舎の関係者の皆さん方です。(阪神大震災では、その精神を勉強させていただきました)

 それら以外にも、個人やグループの「つて」を使って、現地の応援部隊に入る人がいます。この人たちは、自分を目立たせることが得意でなのですが、相当数の人が様々の形で登場しています。その道の達人と称すべき人物です。

 災害の規模によっては、人命救助を第1にするような例がありえます。阪神大震災時には、まさにそうした時期でした。生き埋めになった人を直に救出する行為は、誰しもできることではありませんが、危険な状態にある人はいち早く発見することは、十分に可能なことです。

 しかし、こうした行動を取るのは、ワンダーフォーゲルの経験者であれば、それほど不可能なことではないと申せましょう。

 ただし、最近では、不審者と見なされる可能性も高いので、自己管理が重要です。

 もとより、自活できる衣食住の用意(滞在期間分の食料、テント、自炊用品など)以外にも、お金を含めて、もちろん被災者への補給品をもっていく能力があります。本来は、1−2日間、地元でカンパを募り、その資金を持っていくのがベターでしょう。(石井さん、次回にこうした災害が起きた時は、一緒にこの方法を取りましょう!)

 現地の大規模な災害地点には、自衛隊が到着しているはずです。あるいは警察、消防、自治体職員の応援もあります。ただし、細かなところまでは中々困難です。それが、初期ボランティアの災害救援の姿でしょう。

 もう、5年ほど前になりしょうか、日本海にロシアのタンカーが座礁して油が流出した時は、手作業が多く、長期間、個人ボランティアの活躍が目立った場面でした。(この時は、私は応援に行く機会を逸しました。現地で自分がその状況を確認したわけではありません)

 この時期のボランティアでは、ボーイスカウト経験者は有能なことでしょう。ただし、最も重要な能力は、自分で行動を決断することが最大のポイントです。
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2.災害発生のライフラインの復.. - 吉田つとむ 11/14-23:34 No.5265

タイトル:2.災害発生のライフラインの復旧過程の時期。通常の応援事態。

2.災害発生のライフラインの復旧過程の時期。通常の応援事態。

 ただ今、新潟中越地震の被災地は、おおむねこの時期に当たるでしょう。ただし、「おおむね」とするべきであって、それは個別の自治体、地区によって異なります。

 本日、バスで移動中、自衛隊の給水車を見ました。すなわち、水道が使えないというところがまだあるというわけです。

 ちなみに、本日朝の朝日新聞には、13日正午現在の情報として、断水が続く地区で長岡市の山通り地区121所帯、太田地区197所帯、山本地区12所帯を含め、7自治体のそれぞれの地点名と戸数などを挙げています。(ただし、山古志村はそれから除かれています。)

 川口町では断水地域で消火栓などの水を移用する町内が25ヶ所あることも記事で伝えています。

 これらの地点を、今回の新潟訪問では直に訪ねいませんが、水運び」のボランティアは、高齢者の人や障がい者を対象に活動しているはずです。それらの全部を自衛隊の人や、自治体職員にお世話になるわけにはいかないと考えます。

 仮に、高低差が多い町田市で発生した場合、「水運び」のボランティアは必須でしょう。(なお、この給水車の存在と「水運び」の光景は、私が水不足の福岡市に住んでいた関係で、毎年のように夏場の時期の、給水車から水をもらって、「水運び」をする光景を見たことがありました。当地では、その時期、いつも台風の来襲を待っていました)
(続く)
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小グループの中でその活動 - 吉田つとむ 11/15-00:03 No.5266

 この時期、もっともポピュラーなボランティアは炊き出しの応援作業です。

 山越村の避難者の人たちの一部がいる長岡明徳高校では、自衛隊の部隊の炊き出しが行われているようですが、そを配るのはボランティアの役回りでしょう。もっと、小規模の避難所やテントでは、ボランティアは炊き出しはまだまだ歓迎されるものと思います。より、重要な課題は、毎日同じメニューでなく、時には変わったメニューの食材を調達できるボランティアがより歓迎されると思います。

 今回の新潟中越地震の発生では、各地のボランティアをまず地元のボランティアセンターに登録させているようです。そのボランティアセンターには、まず役所の職員も出向などで加わっているはずですので、それなりに仕事がボランティアに振り当てられるでしょう。

 ですが、そうしたタイプの活動がボランティア精神に燃えてきた人にあうかどうか、それは疑問です。最もそうした仕事にふさわいいのは、東京都の教育委員会が都立高校生に導入する必須の「奉仕」の科目消化の目的の生徒等でしょう。

 自分だ「ボランティア」を目指すのであれば、とにかく小グループの中でその活動を行って見るべきだと思います。まずは、現地に足を入れてからのことになります。最も、今ではインターネットが普及し、簡単に災害救援ブログも開設可能です。そうしたところを、少々吟味して、災害現地に出向く方法もあります。

 せっかく現地に災害ボランティアに行くのであれば、自他共に納得できる関係のものをつかみたいものです。

 企業とて、従業員をベルトコンベアーの目に並べて、単純労働させる時代ではありません。時代は、すでにセル生産の真っ最中です。高度の意欲を持っているはずの災害ボランティアに、ただただ単純作業を強いるのは、それらのリーダーが自己能力が低いための所業でしょう。
(続く)
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この時期のボランティアの持ち物 - 吉田つとむ 11/15-00:26 No.5267

 どんな時期でも、ボランティアの持ち物で重要なものはお金です。なぜなら、高校生や大学生のボランティアも、私たちのような世代のボランティアも本来対等です。

 災害地の長期ボランティアはともかくとして、短期ボランティアで体一つできている人たちは、その被災地のボランティアリーダーにとっては、もてあます存在です。なぜなら、有料の場所に行くとき等に同行させるとき、だれがその人物のお金を支払うかで、迷いが生じます。この種の人物では、プータローと他の分野でも称される人たちがいますが、これまた曲者です。

 皆さん、くれぐれも災害地には、手ぶらで訪ねないようにしましょうね。
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ボランティアセンターの指示と新.. - 吉田つとむ 11/15-09:21 No.5268

タイトル:ボランティアセンターの指示と新聞記事

 ボランティアの持ち物の記事では、11月15日付けの読売新聞には、新潟県災害救援ボランティア本部がボランティアを必要とする市町村を紹介するとあり、電話番号を記しています。さらに、その際、飲料水・食料・寝袋などは各自で準備としています。

 思うに、上記のような装備を必要とする地区は、細かく見るとたくさんありますが、必ずしも被災地の全域でそうした装備を必要とするわけではないはずです。

 現に、「2.災害発生のライフラインの復旧過程の時期。通常の応援事態。」の記事で書いているように、市道水の供給はかなりのところで復旧していたからです。

 現地に行くと「何を必要とするか分からない」のが災害救援ボランティアの基本であり、自分のためや救援目的で、緊急に細やかな道具類や生活用品を買わないといけない可能性もあります。とにかく、十分ではなくとも、「お金」を持っていくことが必須用件です。

 なお、被災地ボランティアにいく場合、自分の車で行くときには、上記のような装備を十分していくのが、非常事態に対応する責任ある態度でしょう。

 「川口町」付近のボランティアは、自分が現地で生活するのに初心者にはつらい面があるでしょう。ただし、2-4日の救援ボランティア活動であれば、その同日数の「雪山登山」に比べてはるかにゆるい条件です。先にあげた、ワンダーフォーゲル経験者であれば、十分に対応できるはずです。
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遠距離からの応援とキャンプ地 - 吉田つとむ 11/17-01:26 No.5301

 震災などのボランティアは、その応援の際に、事前に飲料水・食料・寝袋などは各自で準備していくべきものと語られます。新潟県災害救援ボランティア本部もそのように指示しているという趣旨に、11月15日付けの読売新聞に書いていました。

 私は、原則そうかもしれないが、それはあくまで原則に過ぎないと主張します。なぜなら、車を使っていかずに、公共的な交通手段を使っていくのであれば、所詮持ち物は限られます。1週間も被災地にいるつもりなら、自分の食料類で必要な品は近隣で手に入れるべきものです。ましてや、「大量の飲料水を応援ボランティアの地元から自分で手配しなさい」というはかなり困難なことです。

 他方で、震災地というのは少々広域でも、都県下全域に及ぶことは、関東大震災の経験を除いてありません。今回も新潟中越地震であり、新潟市や群馬県にはその被害はまずほとんど無かったでしょう。
 新潟や、群馬県内などで飲料水などを自分で仕入れて、応援の継続を優先されるべきと考えます。

 道路の復旧などの工事は専門家が行うべきですが、被災者の避難生活の支援活動は、お役所の人員や業者サイドがやらずとも済むものです。それらの人は、そうした人しか対応できない仕事をやればよいことです。

 避難所の設営から自衛隊が行ってきたような配食サービスは、できるだけ早期に、避難者自身が行うか、応援ボランティアが代替すべき活動分野であるでしょう。

 自衛隊の方には気の毒ですが、その人たちは緊急でより困難性が高い分野を担っていただくようにしないといけないと思っています。
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