講座Yパネル討論『三位一体改革と福祉行政』報告(富永 理恵子)
第9回清蹊セミナー 講座Y

<講師>(パネリスト:松尾清美佐賀大助教授、穂坂邦夫志木市長)
      (コーディネーター:福岡政行白鴎大学教授)
 (まとめ:早稲田大学鵬志会 富永 理恵子さん)

講座Y パネル討論『三位一体改革と福祉行政』

・ 要約
 講座Yは、パネリストに松尾清美佐賀大助教授、穂坂邦夫志木市長、コーディネーターに福岡政行さんを迎えてのパネルディスカッションでした。
議論は社会福祉協議会(以下、社協)は十分に機能しているのか否か、と言う切り口からスタート。現在の社協は行政に金銭的に頼っていることもあり、第三セクター化、マンネリ化している。今後は有能なマネージャーを置いて行政から自立すべきだという意見にまとまっていました。また、市町村合併によって各地域内で福祉政策の摩擦が生まれている、といったまさに今起こっている問題も提起されていました。
今後の福祉を考えると、行政はもっと住民の立場にたって考えなければならないし、住民も単なる受け身でいてはいけない。財政難と言われる中で、行政が如何にしてよりよい福祉サービスを提供していくかは、行政がどれだけ社会状況を敏感に察知し、的確な判断を下せるかにかかっているのではないか、と締めくくられていました。



・ 感想
講座を聞く前に、"福祉"と聞いても何だか自分とは遠い気がしていたので、始めの方で松尾さんの「"福祉問題"というと障害者や老人の問題だと思われる方が多いかもしれませんが、そうではない。子供の虐待の問題、児童相談所なんかも福祉問題ですし、皆さんもいつ介護を受ける立場になるかわかりません」という言葉を聞いてはっとさせられました。
また、福祉というと、ついボランティア的なものだという感覚をもってしまってましたが、行政の視点から見るとあくまでひとつの政策であって、財政の問題等を現実的に考えると、ただサービスの向上だけを唱えているわけにもいかない問題なんだな、と認識を新たにしました。

文責:富永 理恵子