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                           2002年4月29日
   吉田つとむはインターネットを武器とする!メールマガジン vol.72
            http://j-expert.com/
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情報公開のエキスパート<吉田つとむ>の週刊メールマガジン vol.72
を発行。当面、週1回刊行。
内容は、(1)コメント、(2)ニュース、(3)予定と案内。

<吉田つとむのコメント>
2 インキュベートを見る Vo.2(施設建設の背景)

 「企業を起こす」・・・・なにか、ユートピア的な響きをもたらす言葉です。サラリー
マンにとっては、「自分が経営者になること」は夢の世界の一つであり、また今日的
には、積極的に、もしくは不可避的にそうした世界を経験している方もあるでしょう。
 ここでは、そうしたサラリーマン個人の世界の話でなく、「企業」の話にもどりましょ
う。

 この神奈川サイエンスパーク(運営=株式会社 ケイエスピー)に到着すると、さ
いしょに応接室で「紹介ビデオ」を見ました。そうした方法は一般の視察の際、ごく
一般的な方法だと思います。
 その紹介ビデオを見ていて気づいたことですが、この施設の最初の社長さんの名
前が、岡崎嘉平太氏とありました。私は、最初の質問で、「社長さん岡崎嘉平太さん
がなさっているんですね」と尋ねた。応対された志茂取締役は、「そうですね。岡崎
さんはここの土地もっていた池谷鉄工の社長をされていましたので、・・・」とのことで
した。

 岡崎嘉平太氏は、全日本空輸の社長(?)をされた人ですが、私達の世代にとっ
ては、「日中国交回復」の井戸を掘った人という記憶が強く残っています。一般は、
とても「日中」に国交が成立するなどとても考えられない時から、地道に民間交流を
続けてきた人であり、現在でも、中国の政界人で知らない人はいないのではないで
しょうか。(何せ、相手は井戸を掘った人のことを忘れない国といいます)
 そうした先見性と、独創性を兼ね備えた人物が、初代の社長を務めていたわけで
す。結構、吉田は納得しました。

 そうした社長に、そもそもこの企画を考えつかせたのは、元の神奈川知事の長洲一
二氏であったそうです。(これまた古い話になりますが、この長洲一二氏といえば、社
会主義運動における構造改革派の理論家として、名高い人物でした。)

 その長洲知事は、78年に施策として、神奈川県を「頭脳センターにする構想」を立
てられたということです。つまり、日本における重工業の一大拠点である神奈川県を、
「世界の研究開発エリア」にするという発想を作り上げたそうです。言ってみれば、自
治体で最初に「産業政策」をあみ出した知事でもあったわけです。(うーん、凄い人
物ですね!。私は、単なる構造改革派の理論家と思っていました)

 その長洲知事が、この地の池谷鉄工が工場移転をする時に、高層住宅に転換する
予定であったものを、こうした「研究開発型の企業の創造の場」とする構想を示し、そ
れを実現してしまったという!

 私が思うに、学者先生が知事になって、言い出されたことですので、さぞや「お役人」
の皆さんは慌てられたことでしょう。ですが、この日の日程ではそうした話は聞きません
し、そのことを聞き出し目的もありません。
 ただ、ここにきた目的は、それぞれの都市に沿った「産業政策」を自治体が持つこと、
事業として成り立たせること、ストレートには町田市でそうした方向を打ち出すこと等な
どです。
 (続く。今回は設立の背景について書きました。*(注)なお、ここで書いたことは、志
茂武取締役の話を聞きながらメモしたことで、幾分事実に違った用語や事柄があるとき
は、その責任は全て吉田に起因します。)
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編集 吉田つとむ
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