2015.09.01 稲葉 千岬 第11回インターンレポート
            町田市議会議員 吉田つとむ 研修生

 
            第36期研修生 稲葉 千岬 昭和女子大学2年生

≪本日の研修内容と感想≫

 今回のインターンシップは一日、本会議の傍聴となりました。私は本会議の傍聴は今回が初めてなのですが、一番に感じたのは、とても長い時間かけて会議を行う、ということです。



 私は本会議といっても三時間くらいで終わるだろうとタカをくくっていたのですが、実際は午前十時から始まり、終わったのは約午後六時でした。一日目の今日は七人の質疑応答が行われ、一人の持ち時間は一時間となっており、これが五日間続きます。ほとんどの議員が一時間目いっぱいを使って質疑をしていました。議員は自分が予め用意してあった表題についての行政側の回答が納得出来ないものならば、どんどん掘り下げて具体的に質問をしていました。質疑の内容は私にとっては高度で全て理解できるものではありませんでしたが、ここで感じたことは、議員・市職員の両者ともとても熱心であるということです。皆さんどのようにしたら暮らしやすい街になるか、ということを一生懸命考え、それに向けての行動をするために会議をしている、という想いが伝わって来ました。

 一方、インターンに来ている人も真剣です。委員会傍聴に来ていた人と同様に真剣に資料を見て、メモを取り、時には頷いたり…。委員会傍聴の時も書きましたが、傍聴に来るのはほとんどが年配の方です。私たち若い世代も見習わなければならないと強く感じました。 

 さて、今回で吉田議員のインターンシップが終了しました。七月後半からインターンシップが始まり、今日までインターンシップをさせていただいて思ったことは、政治家について私たちが知っていることは一側面にしかならないということです。ある祭りを訪ねた時、吉田議員が出した意見に対し厳しい声や視線を投げられていました。私はこの姿を見て、とてもじゃないけど自分は政治家にはなれないと感じました。政治家は苦労が多い割には、人々に好かれない・知られない職業であると感じました。それでも、私たちのインターンシップをする前の朝と終わった後の夜も、駅頭に立ちビラを配っていたり、会う人会う人に丁寧に挨拶をする吉田議員から、社会人としてのゆるぎない信念と情熱を学ぶことができました。 

                                   昭和女子大学2年生 稲葉 千岬 (第36期研修生)
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2015.09.05 コメント  記:町田市議会議員 吉田つとむ
 
 稲葉千岬さんは、オリエンテーションのプレ参加を入れて、今回で11回目の参加となりました。事前の目標を達し、予定のスケジュールを果たしました。お疲れ様でした。本来の学生の夏休みはまだまだ続くのですが、稲葉さんはもっと別の勉強の日程が迫っていることで、早期にインターンシップ日程を入れていたわけです。

 最後の研修は、議員の一般質問を聞くと言う内容でした。一般質問と言うのは議員が自分で(ほぼ)自由に問題とすることを設定し、それを行政に尋ねたり、提案するものです。事前にレクチャーを行うために、スムーズにやり取りが行われるものですが、全部がそうなるわけではありません。稲葉さんが傍聴した翌日の私の質問の場合は、その例でした。今回、定数36名から議長・副議長を除いて34名のなかで、33名が一般質問を行いました。この規模の自治体で、これほどの人数の議員がほぼ毎秋のように質問する議会は珍しいでしょう。

 時には冗長な話し方や、時世と離れた話題にずれることもありますが、それぞれの議員が、自分の質問が最も重要なテーマを掲げており、かつ、内容も充実したやり取りになっていると自負しているのも議員らしい特徴です。最も、私もその様に思っている一人でしょう。

 インターンシップは、議員インターンシップだけでなく、行政のインターンシップもあります。町田では、私が行政に先んじて行っているもので、かつ、継続して行っているものです。行政のインターンシップに後れを取るような事態があってはメンツが保てないと、古風で頑固な意識で取り組んでいることです。

 また、傍聴者は年配者が一般的です。ウイークの日中に行うため、あるいは生活に余裕がある人が多いためでしょう。時として、緊迫したテーマのことで質問があると、それに利害関係がある人、関心を強く持っている人が世代を超えて集まります。

 議員は、議会で発言する以外に、街で出て、様々の意見を聴くことが重要な仕事です。事前に聞くこともあれば、事後に聞いて回ることもあります。今回は後者でした。一つのことで10年は、批判の目を受けることもあります。もっと長く批判を受けることもあるでしょう。他方で、一つの成果が議員活動を続けている間、応援を頂くこともあります。住民の皆さん全部の支持を受けることを求めていると、「八方美人」と言う立場になりますし、頑固に自分の立場に固持すると四面楚歌になることもあります。かと言って、流れに添うことばかりを追求すると、「風見鶏」と言う評価を受けることにもあります。

 地方議員と言うものは、常に身近な社会問題を勉強し、その問題克服の新たな提案を行い、「先見性を持っている」と言う評価を受けることが重要だと思います。他方で、自分の信念と照らして、判断すべきテーマの賛否を明白することが必要だと思っています。今回、後者のことで、現状批判の目で見られました。5年後、10年後、どのような選択が必要かを考え、結論を出したことです。相手の支持を失っても仕方がないと言うスタンスでした。

 稲葉さんは、そのインターンシップが終了したあとで、私が駅頭に立って、市議会報告を配るところを発見しました。地方議員(特に、首都圏内都市の場合、議員の活動がマスメディアの目に留まって記事になることはほとんどありません)の場合は、自分の考えや行動を自分自身で広報しないと、その意思が住民に伝わることはほとんどありません。私のような広報手段が一般的とは言えませんが、体力、気力があれば、マスメディアを気にせずに行動できる利点があります。現に、過去6年間、町田市議会のことで、町田記者クラブのマスメディア記者から質問を受けたことも、取材されたことも皆無です。ただし、間違った記事を私から批判したり、その編集部に訂正を求めることをありました。マスメディアがそのことに誠意をもって対応をした経験はありません。

 地方議員と言うものを真面目にやれば、こうした孤独感は往々にしてありますが、他方、住民の人から最も慕われる経験も何度もあります。その喜びを糧に活動を続けていることになります。選挙の結果でそれは示されると淡々と思っています。

 個人的なこともコメントに書きましたが、稲葉千岬さんは、そうした些細なことは気にせず、自分が勉強した成果のみを持って、次のステップに臨んで下さい。どうぞ、お元気で。

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