昨日、リニア中央新幹線(東京~名古屋)の開通に関して、川勝静岡県知事とJR東海金子社長は初めて会談を行いました。その光景がテレビの映像と本日の新聞トップ(読売新聞)に掲載されていました。私はかねてより、リニア中央新幹線の開通に期待をかけているのですが、この会談の様子を見ていて、これでは、リニアの予定通りの開通はよほどのことが無い限り、見込みが薄いと思いました。
最大の理由は、相手を説得するべきJR東海金子社長が、トップ会談であるにも関わらず、単に自分の事情を述べているだけに過ぎない、それも、発言の度に、手持ちの資料のペーパーに目をやる光景が映像に映り続けていました。私は、この金子社長の在り方に失望しました。この方は、自分が社長で、JR東海が社運をかけて推進する新しいシステムの事業であり、国がその事業の促進に期待を込め、さらにその延長(名古屋~大阪)を求めて支援を表明した新事業で、ある意味、国家的な事業に関して、最高責任を負っているのか、その気構えがあるのか疑問に思えました。この日のTV,新聞ではそのことを問うものが全く無いのかもしれませんが、この金子社長の資質が課題であり、そのことを指摘してあげるのが、リニア新幹線待望者の一人としての責任だろうと思いました。
そもそも、リニア中央新幹線は、東京(品川)~名古屋間を結ぶものですが、静岡県の北部山岳地域をトンネルで通り抜け、大井川水源の流れを大きく変える可能性が高いものです。しかも、その静岡県内には停車駅が設定されておらず、静岡県にとっては何のメリットも無く、逆にデメリットが生じる類のものであるわけです。それは、双方がわかっているはずであり、JR東海側が国策的なこと、あるいは社運をことを静岡県に百万回繰り返しても、私は話は進まないものと思っていました。そうした話の筋からも、JR東海側の都合を静岡県側が丸のみできるわけがないことは、自明の理であるはずです。それなのに、JR東海金子社長は手ぶらで川勝静岡県知事を訪ね、自分の都合だけをペーパーを横目に見ながら、自己説明に終始していました。
私は、この事態を進展したければ、JR東海側の交渉人を変え、必要ならば社長を変え、真摯な態度を静岡県側に接することが必要だと思いました。そうした、新しい交渉の材料をそろえ、仕切り直しをするのが、社会的な使命を持つ企業の在り方だと思う次第です。国がやるのであれば、理不尽であっても多数で押し切ることが可能な場合もありましが、どれほど大きくても、JR東海は一民間企業であり、全国のJR各社がその推進を必ずしも期待しているわけではなく、ある意味、世界に先駆けた孤独な取り組みであることを密かに思い、交渉相手には「何が妥協策かをあくまで自身で検証」して、誠意と自信を持って対応する立場にJR東海に望むものです。
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なお、このリニア中央新幹線は、始発駅の品川駅を出発し、町田市内の地下を通り抜け、お隣の相模原市緑区橋本駅(地下)を最初の駅とするものです。このリニア中央新幹線橋本駅は周囲人口の200万人ほどが利用する可能性がある駅となります。
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