この間、「戦争学のすすめ」(松村劭著)を読み終えました。前回は、私の梅雨の読書:戦争学のすすめ(2)2020.7.5 を書いています。
第2章では、日本で戦争学の基本は、第二次世界大戦に敗北、敗戦が語られている。主要には、日米戦争の論理で書かれており、アメリカは中国通称(自分のマーケットにする)を主要な目的としており、日本をそこから排除することが一貫している見方で描かれています。日本は、日清戦争で清を朝鮮半島で撃破し、さらに、ロシアを日本海と満州で打ち勝ちます。本来は、それで東北アジアの勇として覇を打ち立てるべきものが、欧米の列強の圧力で後退されている。第一次世界大戦では、ドイツと日本は交戦していますが、その利もドイツ以外の欧米の列強の圧力で、その功績に値する益を得ていないとされます。アメリカは海洋国家として太平洋海域を支配する国家として進出し、日本と立場も利害が重なる分野が多く、日本は東南アジアの方向にその勢力圏を伸ばすべきであったという観点が見られます。
第3章において、松村氏の主張の特徴は、戦争で勝った側は相手の文化も同化政策を押し付けることがありますが、それを排除する理論は無く、その国家が自分を打ち立てた時に、韓国のことを例にとって述べています。台湾も同様な観点で見られていると思いました。日本はアメリカと早期から同盟を結ぶべき路線であるべきであたっとしています。アメリカが日本に対して取った、文化的な同化政策がそれらの延長上にあって、今の日本の姿を作り上げていることを述べています。松村氏は、アメリカと一線を交えたいという考えより、戦争の敗北がどのような結果になるか、文化をも打破される対象にされてしまうというものでした。
第4章において、松村氏の主張の特徴は、日米の戦争関係を論じています。アメリカは、日本に武装解除を強いて、それから国体、国家をもアメリカは無条件降伏させたというものです。アメリカは、日本に占領憲法を押し付け、アメリカの保護国として扱おうという観点で、占領、その後も占領憲法で、日本の独立心を奪い、占領放棄をさせたというものでした。
松村氏は、第5章において、アメリカがどのような国かについて記載されています。新天地アメリカにやってきて、本国イギリスと独立戦争を戦い、勝利するのですが、彼らはそれを革命戦争と言っていることが書かれています。国王、貴族、騎士らから、中産階級の在アメリカ清教徒が政治権力を奪い取ったと見ています。アメリカの南北戦争もその延長上に考えられている。自由を基本と考えられているアメリカに対して、それは富の追及の自由だと見ています。
松村氏は、第6章において、日本が差し迫る危機的状況を3点あげています。この本は、あとがきが平成18年に書かれています。現在と、日本と周辺諸国の状況とは大きく異なっている点もあるわけですが、現実は松村氏は良く先を思い描いていると思いました。
第1は、隣国に軍事国家、中国で日の出の勢いで成長していること。
第2は、国際社会の国家以外の交戦団体が秩序が乱す傾向があること。
第3は、日本自身が伝統的精神文化を失い、国際社会において単なる経済・産業地帯に堕していきつつあること。
また、松村氏は、自分がいた自衛隊に対して、それは戦わない軍隊に位置づけられていると記しています。現実には、そうした側面は徐々に薄れていると思いますが、現実に、海外に派遣する際にも、交戦状態に無いことを持って、危険状態に出向く状態になっています。
中国の軍事的な成長に特に注意を払っています。中国の核戦力は、アメリカの核を封じ込めたとしており、さらに、日本の中国に対する毅然とした態度を封じ込めたとしています。日米安保条約に関しては、実質的にそれによってアメリカが自動的に日本を守る保障にはなっていないとしています。朝鮮の存在も並行して記載されている。
さらに、松村氏は、危険な存在として、国家ではない、交戦団体というものを取り上げている。(続く)
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