第6章「持たざる国」を「持てる国」にする計画ーー石原莞爾の世界最終戦論というところにたどり着きました。「未完のファシズム」(片山杜秀著)を読んでいます。
石原莞爾と言う人物は、有名な関東軍作戦参謀として活躍しており、柳条湖事件・満州事変に関わった中心人物です。ただし、太平洋戦争をトップである東條英機との対立し、そのことで予備役に追いやられ、第2次世界大戦の終盤にかかわることが無く、結果的に戦犯指定を免れることになっています。
片山杜秀氏は、石原莞爾の思想形成に注目していました。世界の中心に日本がなるという思想です。大戦以前の世代がなじむ、「八紘一宇」の世界観なのでしょう。いずれにしても、「持たない国」が「持てる国」に至ることが重要で、そのためには、国力を増すことが重要であり、統制経済や計画経済が必要とされると見る見地に立つことになります。軍の派閥で、「統制派」とされる人脈に入っています。国家総動員体制が図られ、官庁にも役人と軍人が一緒に仕事をすることになり、ある意味、軍が官僚を従える時代に入ります。まさに、現在の中国、いやそれ以上の朝鮮の姿になります。
とは言え、その動きで日本が、「持たない国」が「持てる国」に至ることが短期的に可能かと言えば、できるはずがなく、つまるところは、精神主義に行く着くというか、頼らざるを得ない立場になっています。その経済的基盤をなせる一番の場は、地下資源にも恵まれている満州という想定が、石原莞爾を駆り立ているものと見ています。そこには、五族協和で豊な満州を作り上げる発想が基盤になっています。今に振り返れば、朝鮮(韓国、北朝鮮)の領域はすでに日本に併合しており、そのことを前提に、満州に皇民の国家を作り上げる理想郷を作りあがることを自然だと思っていますが、東アジアの様相からあるはずもない国家像でしょう。
ただし、石原莞爾は、「持たない国」が「持てる国」に至るには、数十年を要すると考えてのことであり、短期的に強大なアメリカと戦う発想など微塵もなかったようでした。ある意味、現実的な発想にありましたが、戦前の現実からはそれは悠長な発想と見なされ、上記のように軍内の基盤を無くしてしまいます。
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