4期連続TOP当選 吉田つとむとは?

過去各種選挙に15回立候補し、8勝7敗する。直近の令和4年の市議選に出て勝利し、4期連続トップ当選。個別対応形式のインターンシップが好評で若者育成を図る。自民党を排除された後、現在まで完全無所属、支持政党なし。6期目に議長も務めて改選し、7期目に町田市議選史上最高票を獲得。さらに、8期目は7期目を上回る史上最高票9206票を達成。議会内では「無所属」に参画。ユーチューブ「発見動画チャンネル」を運営。零細企業営業マンを務め、政治経験が長い。ネット関係の著作、講演もある。

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「未完のファシズム」(片山杜秀著)を読む(6)2020.8.10

所感・つぶやき

 本日は、読書中の「未完のファシズム」(片山杜秀著)について、第8章に関して書き続けます。日本が大国アメリカとどのように対応していったのか、なぜ強者アメリカと戦うことになったのか、それを避けることは考えられなかったのかに関する章ですので、内容はこの本の濃い部分が盛り込まれているものでしょう。

 中国の戦争理論と日本人の戦争観についての分析記述があります。近況の話でなく、中国の場合は孫子の時代からの基本的な立場に関する記述であり、日本人ではそれを否定する立場からの見地が述べられます。強い方が勝つ、弱いものは負けを認め、支配される側になる。負ける戦いはしないというものです。思うに、一件卑屈のようですが、第二次世界大戦後までずっと戦い続けた毛沢東の戦争観、戦争論に至る強靭さを持つものでしょう。1万キロでも逃げ伸びる(紅軍の長征)、ゲリラ戦・パルティザンの論法で世界の戦争史に残る逸材でしょう。

 日本人はそういうわけにはいかない、相手が強いから戦わない、強い相手に出くわしたら瞬時に逃げるなど、もってのほかの戦法なのでしょう。「闘戦経」という書物に、「真鋭」と言う言葉があり、それらに注目してきた日本人の研究をしてきた人物に注目しています。さらに、「真鋭」と言う言葉は日本生まれの漢語と片山杜秀氏は解釈しています。日本の先人は、中国の兵法は理屈や計略に頼りダメである。鋭い真剣で戦う抜く戦法が究極とみるのでしょう。戦前の戦陣訓では、「生きて虜囚の辱めを受けず」とされるようです。

 この戦法は、意外なことに、最も工学的な思考であるはずの工兵出身の中柴末純(明治の戦争を戦う抜いた秋山好吉の命で、主に土木工事を肉体労働を持って天津租界地を造り上げた人物だそうです)が編み出して行きます。

 中柴末純は、世界大戦の経過を分析して、世界の主な交戦列国は国家総動員の体制を敢行したと見ています。「どのように軍の需要を充たすと共に、国家の生存国民の生活を確立することに最善の方途を悉したのである」と結んでいます。ただし、それらの準備はほとんど進んでおらず、不十分な体制で戦争に及んだことで、次なる戦争では、国家総動員準備計画が必要不可欠と痛感させたというのが片山杜秀氏の分析です。

 中柴末純は、日本と列強の関係において、日本がそれらと対等に持てる国になるまで戦いを控えることはできず、いつ相手から仕掛けれるかわからないし、軍人の本分は、いついかなる状況下でも、相手と戦うことを前提にあるべしと考えたというものです。持たざる国家である日本は、持てる国家にも精神力で勝ることを追求する、建前にするとなたっと片山杜秀氏は見ています。

 そのために、「戦意」を優位において考える思考になり、その前に天皇=国家の理論が打ち立てられ、自分が滅びても、天皇が生きておれば国家は続くと考えるものであったようです。この間に飛躍した論法は、私がそれを説明することは向かないのですが、日本は「玉砕」や「天皇陛下万歳」という、国民が喜んで死ぬ、死んでいこうとする論理が波及したと片山杜秀氏は見ています。

 戦争の一般常識では、戦争で劣勢になり、所属部隊が全滅同然の状態に陥った場合、降伏して捕虜になることは恥ずべきことではないとされていますが、日本の戦陣訓では、「一億総玉砕」、「名を惜しむ」(生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪過の汚名を残すこと勿れ」が日本軍の精神(とされるもの)でしょう。もとより、これはトップが範を示したことで無く、部下に、下級兵士に、一般国民(とりわけ、沖縄県民)に強いた論法で、所業であったことは戦中史、戦後史が現していることです。

 その後は、天皇に関する中柴末純の言葉が様々に述べられますが、そこには天皇の命(令)という言葉が一言も出てきません。人がその命令で行動するということが想定されていないもののようです。

 この8章の最後は、「玉砕の必勝哲学」と言う内容が記されています。玉砕という響きが、事態の劣勢を覆って、いつか、日本に勝利をもたらすかもしれないという願望を持つこそが日本軍が生き長得ていたのでしょう。当然、兵力を失って有意義なことは無く、軍の全滅を求めるのではなく、退却や降伏があって、国家が存立するものですが、それを上層の部下への命令とせずに、天皇の命にさせずにいたことが、そのことが後々まで国論を統一できず、日本人の意識に今日に至るまで分断をさせる根本原因だと理解しています。

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