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視察報告書 町田市議会 個人視察(保守連合) 吉田つとむ 
視察先 清渓セミナー スクワール麹町  
講座Ⅰ「『失われた20年』で激変した雇用と子育て環境」(講師:小林 美樹氏:労働経済ジャーナリスト)
実施日 平成271028日 

日本青年館を起点にする清渓セミナー実行委員会が主催する第20回清渓セミナー(全国市議会議長会などが後援)に参加しました。本来は、日本青年館で開催されるものですが、オリンピック会場の建て替えの伴い、移転工事中の為に別会場で開催されました。

 今年も23日の日程で行われましたが、別会場であることでゆったりした状況を望むことはとても難しいものでしたが、地方議員が自主的に関わることで無事に日程が終えました。 

初日の講座Ⅰ「『失われた20年』で激変した雇用と子育て環境」(講師:小林 美樹氏:労働経済ジャーナリスト)でした。

 講師の小林美樹氏は、自身のツイッター紹介で下記のように記されています。1975年生まれ。株式新聞社、毎日新聞エコノミスト編集部を経て2007年2月からフリーのジャーナリスト。「ルポ“正社員”の若者たち」(岩波書店)、「看護崩壊」(アスキー新書)、「ルポ職場流産」(岩波書店)、「ルポ産ませない社会」(河出書房新社)など 

働く人の取材を通じて、現代の労働、雇用、子育ての現況、課題を鋭くとらえていました。

今回に講座では、働く女性にとって、妊娠したら「すみません」ではなく、職場で「おめでとう」と言われる社会を!と提起されました。

 過去の寿退社が、妊娠解雇に変わったと、1980年男女機会均等等法成立から30年の間に変化したと言われています。現実の職場を取材しての事情を述べられたものでした。国は、女性の社会参加、雇用促進を求めているはずですが、現実の企業はそれに逆行するかのような対応をしていると言うわけです。

 非正規社員の増加、特に女性にそれが多く、子育て世代に派遣社員が多いと言う特徴を政府機関等の資料を基に説明されました。

 次いで、保育の分野では、保育士の労働環境に関する説明があり、「連合」の調査報告をもとに、保育士に流産が多い傾向を読み取っておられました。労働環境の過酷さを示しており、保育士の処遇改善が必須であり、そのことで保育士の補えるものでないかと推測されていました。保育士の処遇改選を行えば、潜在保育士の多くが現場に戻るのではないか?と続けて言われています。

 私が、前回の議会(第3定例会)中の決算委員会で問い、結論がでたのは次の内容でした。

保育現場で何が不足しているか

 町田市は待機児ゼロを目標し、市内全域で民間保育所の新設・増設を支援して、現実にその目標は徐々に達成しつつあります。  

 しかし、ここに来て市内全域で待機児童が増大する傾向でなく、ところによっては保育所に園児の欠員が生じるところが発生しているのではないかと決算特別委員会で尋ねました。行政の答弁では地域によって、園児の欠員が生じていること、2歳児以降にその傾向が見られるとのことでした。今後、ゼロ歳児等の低年齢児を弾力的に受け入れることで対策としていきたいとのことでした。ただし、年齢によって、ゼロ歳児では3人に1人、1歳児では5人に1人、2歳児では6人に1人、3歳児では20人に1人、4歳児では30人に1人の保育士の確保が義務付けられており、保育士の確保が新たな課題となっていることが明らかになりました。

 首都圏では、町田市に限らずどの保育所においても、この保育士の確保が大きな課題になっており、保育所だけの努力では難しいものになっています。そこで、今回の決算特別委員会において、「保育園で保育士が十分に募集・確保できるように、近隣自治体が実施する保育士の待遇改善に対応した支援制度を比較検討し、速やかな実施を図られたい」と提案し、全員の賛同を得ました。また、「民間等保育所運営事業について、保育園で園児の欠員が生じる新たな状況を考慮し、十分な対応策を講じるように図られたい」と提起しましたが、こちらは自民党を除く全会派委員の賛同を得て多数意見になりました。結果、私の二つの提案は、決算認定に関して、付記意見として委員長より本会議に報告されました。

(以上、吉田つとむが第2定例会の終了後にまとめた文です)

 この両者では、小林美希氏が働く側から見た視点での主張であり、私は保育所から見た視点で書いていると思いますが、結論では似通った趣旨ではないかと考えました。 

記:町田市議会議員 吉田つとむ 保守連合

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