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視察報告書 町田市議会 個人視察(保守連合) 吉田つとむ 
視察先 清渓セミナー スクワール麹町  
講座Ⅲ「マイナンバー時代のITを活用した自治体サービス」~マイナンバー、市民協同、ワンストップ窓口」講師:三木浩平氏(千葉市総務局次長、CIO補佐監) 
実施日 平成271029

 
20回清渓セミナー2日目の講座Ⅲは、地方自治体で話題のマイナンバーに関する事項でした。

 三木浩平氏は、千葉市の情報統括副管理者(CIO補佐監)。千葉市が多数の公募者の中から採用した人物。以下の経歴です。

学歴
 平成7年 ペンシルベニア州立インディアナ大学社会科学部社会学科卒業
 平成9年 アメリカン大学社会学修士課程修了
主な業務経歴
 平成12年(株)日本総合研究所(創発戦略センターグループマネジャー)
 平成15年 ベリングポイント(株)(戦略・業務プロセス部マネージャー:香川県CIO補佐業務)
 平成21年(株)三菱総合研究所(公共ソリューション本部主席研究員)
 平成23年 電子行政コンサルタント
  と言うきらびやかな経歴を持った若手の人材。

講演では、
マイナーバー制度の概要と市民への理解促進
個人番号カード(自治体の番号制度対応と個人番号カードの交付)
総合窓口(区役所の窓口改革と手続きのワンストップ化)
オープンデータ(コミュニケーションを活用した官民協働の街づくり)
ビッグデータ(ビックデータの解析による市民の健康促進)
  が語られました。

マイナンバーについては、すでに自治体レベルでも取り組まれており、個人への通知が始まっています。
  個人の情報が役所や部署の違いごとに分かれており、それをつなげる役割があるとのことでした。

個人を特定する意味で、氏名の記載では文字の種別でも、斉藤、斎藤、齊藤などの相違があること、あるいは難読字、名前の変更、通称使用などで、同じ人の情報に繋がらない説明がありました。住所でも同様のことが起きるとのことで、これが例の「消えた年金」の原因の一つだと理解できました。マイナンバーを使えば、個人の共通番号であり、変わらないことでその利便性が発揮されることが理解できました。

その保守性についての説明がありましたが、個人カードを配布する段階で、通知の誤配、通知ハガキに記載すべきでない情報が記載されたとか、すでに問題が生じており、プライバシーの保護がどこまで保証されるかは不明と思われます。

個人レベルの使い勝手ははるかに向上するようです。カードを写真入りにして、顔認証システムと共用すると、他人の成りすまし問題はほぼ解消するのではないかと思いました。

窓口のワンストップ化が進められているとのことでした。窓口を職員が対応し、その事務情報処理を「事務処理センター」で行なうことで効率化を図るとのことでした。もちろん、自前で処理するもの、外部に出すものが取扱いのデータを解析した上での移行であり、他市が自動的に受け入れるタイプのものとは言えないことは自明でした。

こうした取り組みを千葉市がIT企業と共同して取り入れたわけですが、その成果を多数の自治体に公開するとのことでした。

自治体間のネットワークが出来れば、そのビックデータが生かせる場面が出てくるものと思いました。

市民協同の分野では、千葉レポと言ういわゆる自治会ラインとは違ったルートの情報収集を行う体制が構築されています。登録制で、通勤者などからのスマートホン情報で、道路の不具合、オープンデータで、その処理過程がネット上で閲覧できる体制ができており、はるかに合理的なシステムだと思いますし、これまで行政に関わらなかった市民参加の形態ができていると思いました。

行政の仕事もシステム化されると同時に、文書管理業務の改善に繋がっていると思いました。

ビックデータの解析による市民の健康管理では、マイナンバーを使用することで、健康に関わるデータ使用が図られると、個人に対する注意喚起が可能となり、健康増進の取組が簡易になると思われます。

その分、データが外部流出するリスクは増大するのではないかと思います。

記:町田市議会議員 吉田つとむ 保守連合

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