新潟県十日町市視察・小規模作業所「ワークセンターあんしん」

平成１７年２月１８日から２０日

● 調査項目
　小規模作業所「ワークセンターあんしん」

経過
　今回の新潟中越地震によって現地では、なくなった人や大勢のけが人が出たほか、多数の物的な被害が発生し、そうした中で障害者の施設でも大きな被害にあったものがあった。
　たまたま、インターネット情報で、現在の制度下では国の支援などが受けられない小規模作業所である、十日町市の小規模作業所「ワークセンターあんしん」という施設が大きな被害にあっており、募金を集めていることを知った。
　
状況
　現地を訪れると、それは古い木造の建物で、震災で完全につぶれなくて良かったというような建物であった。この作業所では、トイレットペーパーの製造を主体の事業としていたが、その建物に損傷がおき、訪問時にはその復旧作業が始まっていた。建物は同じ木造作りだが、卵の殻状の形態で、壊れにくいように設計されているという。幸い、責任者の方と大工さんの打ち合わせの会話を、そばで聞くことができたのである。
　その復旧資金の目途が明確にたったかかどうか、現実にはなかなか困難なことと承知して、自分ができることとして、新潟中越地震の募金なら、この小規模作業所「ワークセンターあんしん」にと、お願いしている経過もありました。ちなみに、費用は１，０００万円くらいになるそうだ。
　さて作業所の復旧では、トイレットペーパーの原紙を裁断する機械を設置する仕事部屋の工事が優先されていた。現在は、カットしたトイレットペーパーを包装する作業所は、隣の建物を一時使用している現状だ。
　まもなく、この報告書を作成する時期（かなり、遅く提出）には、作業部屋も完成し、落ち着いて入所者のみなさんが作業できるだろう。
　なお、この小規模作業所「ワークセンターあんしん」では、他の事業もいくつか行っている。
　一つは、新潟県立小出養護学校ふれあいの丘分校の児童送迎事業であり、その事業では、ふれあいの丘分校に通う子供たちを毎日お家から学校まで送迎を主な業務となっている。（各市町村委託事業）
　もう一つは、一般就労事業取り組みで、この作業所の責任者である樋口功氏が経営する北越融雪株式会社での資材作成作業が目立っていた。
所感
　「あんしん」の再建は、是非とも実現してほしい課題であり、町田市からは、作業所連絡会のカンパが、全額その小規模作業所「ワークセンターあんしん」に送付されたのは、実に喜ばしいことであった。
さらに、聞いてみると、そのトイレットペーパーの製造に関して、町田市内の障害者施設である「協働学舎」の経験が提供されてきたというのは驚きであったが、私自身も、トイレットペーパーの原料となる段ボールの回収のために、「協働学舎」が運行するトラックに何度か同乗した経験があり、妙に親しみを感じたものである。今回は、その製造機も一部損壊したということであり、中古の大きめの機械が入るという。こうした期間に、このトイレットペーパーの顧客が減らないことを願っている。

　この作業所の仕事では、一般就労事業の対象である、北越融雪株式会社の仕事に非常に興味が起きた。「融雪」という雪国ならでは地域の産業であり、屋根の部分にヒートパイプを通して、屋根に積雪が起きないようにする部材を作り、それを現場で組立する（メンテナンス業務もその一環）のがこの会社の事業である。障害者のみなさんは、工場内の部材製造の部門で働いていう。訪問時は、週末で金曜日も時間が遅かった。
　また、この北越融雪株式会社では、新規に、「再生ダンボールを使った床暖房パネルのグリーン化と障害者就労促進」を目標に掲げられており、ちょうど、試作品が作られていた時であったので、樋口社長に同行し、段ボールの会社にも訪問した。

前の児童送迎事業については、特記する程の内容はないかもしれないが、どちらかといえば過疎の地域の中で、他の事業との関連も必要になってこよう。この施設は、また全く別の場所に位置していた。

この小規模作業とは独立した事業であった、樋口功さんは、介護保険事業も関わっておられ、デイサービスなどの新規事業は真新しい建物があって、その場所で行われていた。

このほかにも、障害者と高齢者の人が一緒に生活する、グループホームもあり、地方の小都市の中で、意欲に燃えた福祉の事業が進めれているのが実感できた。

なお、現地の宿泊に関しては、「あんしん」の関連がある建物に泊めてもらったため、不要となり、その分は公費請求を辞退した。
＜参考＞
　NPO法人支援センターあんしん　　会長　本田欣二郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　所長　樋口　功
　　　　連絡先：〒949-8523　新潟県十日町市大字馬場丁1322-1
　　　電話　0257-50-2566　　FAX 　0257-50-2560

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