企画総務常任委員会行政視察(呉市等)
平成17年4月19日(火)〜平成17年4月21日(木)

視察先及び調査事項
岡山県 ・事務処理の効率化について
・行政情報の取り扱いについて
・財産の管理について

呉市 ・財政の運用状況ついて

東広島市 ・ 市の長期計画について

 視察の概要

広島県呉市の斎場整備事業を視察した。

 ただし、この施設の供用開始は平成18年4月1日となっており、現地の施設見学はかなわなかった。説明によると、次のようであった。

この施設の特徴は、いわゆるPFI方式の発注であり、その中でも「BTO方式」と呼ばれる方式で建設がなされていた。これは、民間業者が設計・建設し、建設完成後に所有権を呉市に移転し、事業期間中、民間業者が維持管理・運営を行なうものである。よって、事業方式では、斎場は「公の施設」となっている。

<本文>

 平成17年4月28日
  町田市議会議長 様
委 員 名 吉田 つとむ
平成17年4月28日(木)までに委員長まで提出をお願いいたします。
行政視察報告書
(続き)
事業形態は、斎場の設計・建設にかかる費用及び維持管理・運営にかかる費用を、呉市が20年間にわたって民間事業者に払うものである。斎場費用は、市の収入となる。

なお、この発注事業では、上記のほかに、既存施設の解体、工事監理、所有権移転業務も含んでいる。この維持管理業務は、平成18年4月1日から、平成38年3月31日までの期間となる。火葬受付、案内業務、告別業務、火葬、集骨業務などを行なう。

入札関係では、総合評価一般競争入札が用いられ、価格のみならずサービスの多様性も求められている。入札では、学識経験者を含む審査委員会が設置された。審査結果を公表したという。

<所感>

上記の理由で、現地を見ることが出来なったのは残念であった。ともかく、PFI方式の話は様々に聞くが、私は現実のものは遭遇したことがなかったので、非常に関心を持って対応した。

このPFI事業の発注と一般の発注方式の事業では、なかなかその費用負担を比較することは困難であるらしい。計算上は、この契約金額が45億1954 万5000円(消費税別)となっていることで、運営委託も同時に加味されるため、今回のように「PFI方式の発注」にしたほうが、約9%〜15%の削減効果が見込まれると予測されていたが、施設整備費部分では元利金等払いとされているが、10年後に金利を見直すことになっており、その期間が来てみないと、現実の把握は出来ないようである。

維持管理および運営費部分は物価変動により、毎年変更するとのことであり、さらに、火葬件数が予想件数を上回った場合、清算するというが、それでは、真に民間がやった意味が薄らぎ、結局は公費支出にどれだけ寄与するか、不明なところが起きていると考えるが、果たして、その解釈はいかがなものであろうか。翻って、町田市の場合、この種のPFI事業をどこかの施設で実験的に導入する価値はあると考えている。

 なお、この事業において、落札者は大手ゼネコンを主体とする特定目的会社が設立して受注する仕組みになっていた。その葬祭場の運営までは、グループを形成した落札者が、入札時点でグループを作り実施するというが、この時点ですでに葬祭場の運営を行なう会社もそれに入っていた、ただし、中の売店の運営に関しては、上記の契約には含まれず、地元優先の配備がされているという。

 また、この斎場施設は町田市(近隣市と共同の組合方式で運営、町田市がメイン)と異なって、「葬儀」を行なうスペースは取っていなかった。それは旧来の葬祭場を利用するか、自宅などを使って実施されているという。この点、町田市も学ぶべきところがある。本来の業務である「火葬」の受け入れをスムーズに受け入れるならば、町田市の場合、より幅広い市民利用が高まるだろう。現実には、町田市民の葬儀に際して、その火葬受付が出来なく、他の自治体に依頼する場合もかなりあるという。実に矛盾した状態になっている。これを機会に、町田市の葬祭場の運営を問い直す時期であろうと考える。

<注記> なお、視察に当たっては、特に関心が深かった呉市の葬祭場に関する部分のみを記述した。
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