7 私の、電子投票の一般質問内容(平成13年)
 
 私は、「電子投票」に関して以前から関心を持っており、平成13年3月議会の一般質問でも「町田市の選挙でそれを導入してはどうか」、と主張した経過があった。当時の町田市には、この電子投票を取り入れる意志はまったく無く、すでに平成14年2月に市長・市議選の改選が行われた。幸い、私はこの選挙を上位で3選することが出来、また4年間を市議会議員として活動することになった。これからまた新しい気持ちで、この電子投票の実施に向けた研究と、キャンペーンを展開していこうと考えている。

 ところが実際には、私が知らないところで電子投票の試みが進行していました。 日本で最初の電子投票選挙が行われたのは、平成14年6月23日(日)、岡山県新見市の市長・市議選においてであった。しかも、その投票では、タッチパネル式の投票機が使用された。今までの関心もあって、私は上述のように、現地を訪れてさまざまの見聞を行った。

 今後の町田市のあり方もあるので、以前の質問を振り返って、その主旨などを再録することにした。

1 質問と答弁の総括(インターン生の山本大介さんが書いたものに、若干の文を加えた)
2 インターン生の山本大介さんが書いた質問原稿(実際にはノー原稿で質問するので、随分と違った内容になっている)

<一般質問 選挙における電子投票について >
  インターン生の山本大介さんが、主体的に書いたもの

吉田の前書き
  2001年3月議会、一般質問の一つを要約しました。まとめたのは、インターンの山本大介さんです。以下の記事は、山本さんが書き上げました。かれは、当初の質問原稿も、取り寄せた資料をもとに作成してくれましたので、すでに記事としてアップしています。なお、吉田の質問は、NO原稿ですので山本さんの質問原稿とは大分異なっています。
 さらに、この質問の答弁者は、市長でなく、所管する選管委員長が行いました。

<以下、山本さんが書いた記事>

主旨 
 今秋、広島市で電子投票による選挙が予定されています。電子投票とは投票の際、候補者の名前を書いて投票するのではなく、集計装置、例えば銀行のATMのようなもので投票する方式です。今回の一般質問ではこの電子投票について質問しました。

項目
(1) 電子投票について、町田市では研究や導入に当たっての検討等は行われているのか
(2) 町田市では来年の2月に市長市議選を控えており、次回の選挙で電子投票の導入を。

内容
(1) 電子投票について、町田市では研究や導入に当たっての検討等は行われているのか

 主旨で述べたように、今秋広島市において電子投票方式による選挙が行われる予定です。電子投票を導入するメリットとしては投開票事務の大幅な時間の削減、人員、人件費の削減、当選人の早期確定、各種統計資料の作成の容易化等があげられます。現在の開票事務作業では投票時間の延長などにより当日投票、即日開票が難しくなっており、開票作業が深夜や明け方になるまで終わらないことがあります。そこで、電子投票を導入すれば開票事務の時間が大幅に短縮でき、当選人の早期確定もできるメリットがあるので、是非町田市として電子投票を導入してもらいたいと聞きました。町田市の返答は、今のところ市としては特に勉強会等は開いてはいないが、東京都が電子投票についての研究会を開いており、その中間報告書が送られてきているのでその報告書は読んでいるということでした。また、投票の電子化は今後高度に発達してゆくであろう情報化社会の中においてはいずれ取り組まなくてはならない問題であると認識しており、今秋広島市で行われる電子投票方式による選挙を参考にしてゆきたいということでした。

(2) 町田市では来年の2月に市長市議選を控えており、次回の選挙で電子投票の導入を

(2)  町田市は来年の2月に市長市議選を控えており、次回の選挙において電子投票を他の地方自治体に先駆けて導入してはどうか聞きました。町田市の返答は、今秋、広島市で電子投票方式による選挙が予定されているそうだが、実際にどのように選挙が運営されるのか、また1人1票の原則や、データの保存等の安全面の確保、不慮の事故により集計できなくなってしまったらどうするのか等以前まだまだ多くの不安定要素があり、あと1年あるとはいえ来年2月の選挙に間に合わせることは不可能なのではないかということでした。吉田としては今秋に広島で実際に電子投票による選挙が行われるのだから選挙の運営やデータの処理等について視察を行ってはどうかと言いました。町田市の返答は、広島市への視察を承認してもらえるのならば、是非ということでした。

吉田の後書き

 町田市が首都圏で、先駆的に電子投票を行うように求めましたが、答弁を聞いていると、とても実現性は低そうでした。思うに、町田市はハイテク化に極めて晩生であり、若い層の投票率向上にも、真剣になったいないようです。ちなみに、全会の町田市長・市議選はわずか43.54%〔男性43.8%女性44.72%〕の投票率でした。さらに、世代別の投票率調査も行っていません。嘆かわしいことです。
<以上、インターンの山本大介さんが主体的に書いたもの>

<インターン生の山本大介さんが書いた質問原稿>

1 選挙の電子投票について
 
(1) 選挙の電子投票が話題となっていますが、今日までに、町田市はどのように研究していますか。
(2) 今後予定される選挙で、町田市は先見的に電子投票を取り入れる考えはありますか。

 近年の急激なデジタル化、情報化の流れの中で選挙システムの電子化は避けることはできない流れとなっている。中央に於いては、99年7月に有識者による「電子機器利用による選挙システム研究会」が設置されており、また、地方に於いても広島市の今秋の市長選においてタッチパネル方式による電子投票の導入が検討されている。
それでは、電子投票を用いることでどのようなメリットがあるかというと

・ 投票時間の短縮
・ 開票事務の簡易化、迅速化
・ 各種統計資料の作成時間の短縮
・ 疑問票の減少
・ 人員、人件費の削減
・ 当選人の早期確定
・ 投票率の向上
等があげられる。

 特に、電子投票を利用することで得られる大きなメリットとして、開票事務の迅速化、人員、人件費の削減があげられる。平成9年の公職選挙法の改正により投票時間が延長され投票率はアップした。だが、延長したことにより開票作業は深夜に及ぶことも少なくなく、平成11年4月の都知事選挙では15区4市が午前0時をまわり、最も遅いところでは午前3時をまわった。平成12年6月の衆議院選挙では選挙の確定は午前5時10分、最高裁判所裁判官の国民審査の確定は午前6時30となった。このように、現状の方法では即日開票は困難になってきている。また人員、人件費の面でも、東京都知事選挙では区市町村の職員1万7千人が開票に従事し、費用も予算ベースで17億円と投票時間の延長により前回よりも2億円の増となっている。去年の衆議院選挙では職員2万人以上が開票事務に従事した。

 それでは、電子投票を用いることでどのように改善されるかいうと、まず、集計作業において電子投票を用いる場合、現在の手作業で一枚一枚候補者別に分類するような手間は必要とせず、集計装置で投票データを読み込むだけであるので、数分程度で集計が終了する。そのため、集計作業に従事する人を大幅に削減でき、また、集計時間の大幅な短縮により、当選人の早期確定も可能となる。

 また、電子投票を導入することは有権者の意志が正確に反映されることにもつながる。というのは、電子投票を導入することで意識的な白票以外の無効票は発生せず疑問票が減少し有効投票をめぐる争いの減少が予想されるからである。

 選挙に関する各種統計資料の作成も投票の電子化により、情報を電子化してストックしておくので、必要な情報を迅速に集計する事ができ資料作成にかかる時間と手間を大幅にカットすることが可能となる。

 町田市としては、来年の2月に選挙を控えており、次期選挙に於いて電子投票を利用するかどうか、町田市としては電子投票の利用についての研究、または導入についての検討等は行われているのか。
<以上、インターンの山本大介さんがかいた、吉田の一般質問の元原稿>


1 日本初の電子投票を現地で見る
2 私の現地ルポを手伝ってくれた人々
3 市役所職員の頑張り
4 死闘を制した、電子投票メーカー組合
5 開票作業
6 電子投票時代の選挙運動
7 私の、電子投票の一般質問内容(平成13年)
8 私が受けた取材
9 参考資料