イラクでの人質事件 2 (自己責任と損害賠償)について

 イラクでの人質問題に対して、議論掲示板に書込みしたものです。ツリーの形式をそのまま順に書いたため、一部に時系列でない部分もあります。
この前段は、イラクでの人質事件 1(拘束と解放)について とした記事を掲載しています。一緒に参照してください。
 なお、その他、イラクでの対応について、いくつかの記事を掲載していきます。
 現地への自衛隊派遣の問題については、以前に記事を書いています。その分を参照してくだsだい。

<目次>
人質の無謀さと怪我の巧妙 - 吉田つとむ 04/16-13:33 No.4197
事前の予想と違っていました - 吉田つとむ 04/17-01:29 No.4201
自己責任論の行方 - 吉田つとむ 04/17-15:37 No.4205
2回目の人質も無事解放 - 吉田つとむ 04/18-00:50 No.4206
人質3名の罪状(?)とされる、.. - 吉田つとむ 04/19-10:22 No.4209
Re: 少数意見の一人として - 山梨評論 04/20-01:16 No.4211
Re^2: 少数意見の一人として - 安藤 04/20-01:57 No.4212
自己負担と、ビザの発給 - 吉田 つとむ 04/20-17:42 No.4216
とっさの判断、ドバイ飛行と検診 - 吉田 つとむ 04/20-17:32 No.4215
Re: 人質3名の罪状(?)とされ.. - 影絵 04/21-02:05 No.4222
危険さを伴ってこその国際ボラン.. - 吉田つとむ 04/21-17:50 No.4224
Re: 危険さを伴ってこその国際ボ.. - 影絵 04/22-04:47 No.4226
刑法の条文 - 影絵 04/22-04:24 No.4225
Re: 外患に関する罪 - 山梨評論 04/22-05:41 No.4227
戦前の新聞社説のデータベース - 笹山登生 04/22-07:56 No.4228
Re^2: 外患に関する罪 - 影絵 04/22-15:06 No.4229
密室における公務員の役割 - 吉田つとむ 04/22-21:04 No.4231
Re: 自己責任論の行方 - 笹山登生 04/20-14:24 No.4214
国家の行動と、個人の行動が乖離.. - 吉田 つとむ 04/20-17:49 No.4217
日本の非常識派の一人として - 山梨評論 04/20-18:29 No.4219
沈黙という、選択肢 - 吉田 つとむ 04/21-00:11 No.4221
戦時体制下の国民のあり方 - 山梨評論 04/20-18:41 No.4220
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人質の無謀さと怪我の巧妙 - 吉田つとむ 04/16-13:33 No.4197

 イラクで拘束された日本人3名は、無事保護され、昨日、日本大使館に入りました。大半喜ばしいことです。

 今回、この3名がとったヨルダンからイラクに入国することは、きわめて危険で冒険的であることは誰しも認めることです。そのため、表題では無謀と表記しました。怪我の巧妙のほうは、実際には怪我もしていなく、本人たちはきわめて健康のようです。

 ところで、今回の3名の拘束・解放・保護と言うプロセスで明らかになったのは、「イスラム聖職者協会」というものの存在と、その威力が大いに発揮されたと言うことでしょう。何もが暗闇のような状況で、もっとも正確な情報で、今回の解放・保護をリードしました。

 もっとも際立った点は、人質をバクダット市内のモスクに送り込み、そこで解放・保護の状況を「映像」に残しました。あわせて、それを衛星TV放送を使って、世界に発信しました。

 その後、日本大使館に連絡して、大使館員に、「モスク」に引き取りに越させ、それまた映像を残すなど、とても日本人には演出できない出し物とさせました。スタニフラフスキーの演出をもしのぐ芸当と思いました。

 あわせて、カタールの「アルジャジーラTV」の独壇場とも言える放送内容でした。日本人、イタリア人の拘束事態に対しての元映像を、放映に際して、残忍な部分を一部カットするなど、心憎い演出が見られます。

 この地域の報道の分野には、こうしたずば抜けて優れた判断をする放送メディアが存在することを再認識いたしました。

 果たして、この間の出来事をアメリカはどの程度承知していたのでしょうか。
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事前の予想と違っていました - 吉田つとむ 04/17-01:29 No.4201

 私が先に示した予想は、下記の通りでした。現実とは、大きく異なっていました。
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イラクの危険度の認識 - 吉田つとむ 04/09-14:37 No.4174

 今回の日本人3名の拘束に関して、「断固救出すべき」の方針で、すべてが一致しています。

 メディアなどの報道では、「この3名がどのような状況で、イラクに入国したか」、と言う問題で意見が異なるようです。

 読売新聞のように、外務省は、現地への渡航情報として、邦人に危険度が高い「退避勧告」を出していたと書き、この3名の行動は認識が甘かったと見ているものもあります。

 しかし、イラクへの自衛隊派遣は、その派遣地が「戦地」ではないとして行われたものであることは、その法の趣旨でもあります。また、その戦地でないとするエリアは、それを特定しない無責任な中で進められました。さらに、この間、多数のメディアはこれまで現地の楽観情報を出し続けてきており、特に、これらの人たちは、事前にTV番組にも出ていたことがある人の模様です。もし、この3名に自己責任を問うのであれば、国内でのTV出演時点で、それを非難、たしなめる行為が必要があったと考えます。

 もともと、自衛隊派遣の趣旨が、イラクの民主化支援で行くもので、戦地に赴くものだと言う認識を政府がきちんと示さなかったことは、今回の反省とするべき点でしょう。

 ともあれ、この人質3名の救出には、アメリカ政府・軍の力・能力が発揮されるしかないと考えます。今回は、アメリカにがんばっていただく番です。
(以上)
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自己責任論の行方 - 吉田つとむ 04/17-15:37 No.4205

 このところ、イラクで拘束された後、解放されたこの3名の人たちに、自己責任を求める意見が多くなりました。

 その当事者の一人が、再度、イラクに行きたいと帰国前にTVで離したことで、それを批判する立場の論調が多くなりました。

 本来の自己責任論で言うと、勝手に行ったのだから、その人物が人質になっても、相手の交渉に乗らない。その生死には関知しないというのが、筋でしょう。しかし、それでは、国家がその件では一切関与しないと主張するようなものです。

 その当事者が、相手国の犯罪者でもない限り、その人物の安全を相手国に求め、国の出先機関が全力を尽くして、救出する。これが、国家の本来の役割では無かったでしょうか。

 もとより、イラクでは、米国・英国の連合軍によって国家権力体制が崩壊し、実質、占領軍の支配下にあります。国家とは呼べない体制にある以上、その安全を保障するものは存在しないが原則ですから、今回の救出は、運がよかったのです。

 確かに、政府も大いなる努力をしたので、それへの感謝をこの人質の人たちは示すべきでした。それを怠ったわけですが、その反動として、救出費用の一部を負担させようとしています。

 はたして、この行為は、費用対効果としてどれくらいのものでしょうか。

 私は、こうした時には、終始「誠意」でもって接するのが、相手の心を和ませるのではないでしょうか。このままでは、この3名の人質を、小泉総理に合わせることが出来ないでしょう。まさか、出会った場で、言い争いをお互いにしかねません。あるいは、この3名を威圧した光景が発生するかも知れません。国家としては、あまりにリスクがあります。

 さて、上記の自己責任論による当事者費用負担の論理を通用させると、今回の救出過程にかかわった、イラク側にどのくらいの費用を払うのが妥当か、と言う論法になるでしょう。そのような、論理を諸外国から持ち出されないことが重要です。

 ともかく、今回のイラク人質事件は、イラク人の結束力、情報力、頭の良さを見せ付けました。
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2回目の人質も無事解放 - 吉田つとむ 04/18-00:50 No.4206

 イラクで拘束・人質となっていた人たちが解放されたのに続き、2回目の人質となっていた2名の日本人も、本日無事解放のニュースが伝わりました。

 今回も、武装グループが、バクダット市内のモスクに人質を連れて行き、そこで、今回も「イスラム聖職者協会」に引き渡して、その手によって解放となりました。また、その場所には、日本大使館員も案内され、2名を引渡しを受けたとのことでした。

 人質が無事解放され、ほっと安心できました。

 さて、国内ではこうした人質への救出費用の負担問題が、大きな話題となってきました。政治家、大臣、メディアと評論家と一斉にそうしたキャンペーンを張り巡らしています。

 現実問題として、果たして、そのような事態までもっていけるのでしょうか。救出費用をして、相手が払わなければ、損害賠償の請求を起こすまで行く覚悟が、政府にあるかどうかの問題です。

 ましてや、その裁判となると、その対象者は、おいそれとはそれに動じない可能性もあります。その時は、十分にその可否を定めてからにするべきでしょう。なぜなら、その時の感情や世論だけで、裁判となれば、勝てなかった時のダメージが強くなります。

 なぜなら、相手から、「国家による救出など頼んだ覚えはない」と言う反論が、提起されるはずです。

 あわせて、そうした手法の行使は、「イスラム聖職者協会」の活動に対して、どのような影響を与えるか、熟慮した上で、判断されるべき事柄です。

 日本の側では人質が無事に救出されたことでの世論が、内閣への支持となっているものでしょう。いったん、人質に犠牲者が出ると、瞬時に、風向きが変わる可能性が大きく存在しています。

 何事も、一概には言えないというのが、今日の状況ではないでしょうか。
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人質3名の罪状(?)とされる、日本の背景 - 吉田つとむ 04/19-10:22 No.4209

 以下の記事は、笹山登生さんのHP掲示板に書いた記事を転載したものです。

 自分の意見が少数意見であることは、承知しています。

●6350 人質3名の罪状(?)とされる、日本の背景 吉田つとむ(町田市議) 104/04/19(Mon) 09:51:07 No.6349へのコメント 削除
URL: http://j-expert.com/
 笹山さん おはようございます。

 解放されてあれほど喜んでいたのに、イラクでの人質3名は、バクダット→ドバイ→関空・羽田と進むに従って、無口になっている様子がうかがえます。それは、なにやら、「帰国拒否症候群症」とでもいうものを感じさせる光景です。

 国内のメディア・識者・世論なるものや、政府・政党まで一斉のバッシングの行動を取れば、「沈黙」と「お辞儀」は日本人のとりうる唯一つの行動ではないでしょうか。この帰国スケジュールの間に、これらの人質と接した密室での役人の言葉が、さぞかし重く心にのしかかってきたのでしょう。特に、メディアの場合は、これらの3名のイラク出国以前の時点では、その行為に肯定的な取材をして、拘束当時は、その映像をたびたび放映していました。どの時点で、この評価が極端に変わったか、改めて調べなおす機会を見つけて、論及すべきだと思っています。

 思うに、この3名の国際政治的な功績は、世界中の注目の中で、イラクの「イスラム聖職者協会」という組織の存在を知らせ、その「高尚さ」を発現させたことではないでしょうか。また、アルジャジーラなど中東のメディアが持つ、機動性と報道選択の迅速な判断基準を見せ付けさせたこと、さらに、イラクの武装グループの組織性と柔軟性を発揮させたことではないでしょうか。

 翻って、これらの経過は、日本と日本人にとって、この3名の人質に対して、耐え難い「ジェラシー」となってくるのではなかろうか、と考えます。もっと正確に言えば、日本の国内では、あとの2名を含めて、「針のむしろ」の上で過ごさせることで、その仕打ちとさせるのではないでしょうか。

 しかし、それでもなお、これらの5名の人たちの行為を通じて、荒廃した国土の中で、イラク人・グループ・組織の優れた俊敏な判断力と行動力を発揮させる機会を生じさせる結果を産み、本人たちの意識や行動を超えた価値を、イラクと中東世界にもたらしたと思います。これからの、この5名の皆さんの境遇に、時折、目を配りたいと思っています。
 
 なお、これまでの関連記事は、自分のメルマガと掲示板に書き込みしています。
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Re: 少数意見の一人として - 山梨評論 04/20-01:16 No.4211

>  以下の記事は、笹山登生さんのHP掲示板に書いた記事を転載したものです。
> >  自分の意見が少数意見であることは、承知しています。

笹山登生さんの掲示板と並行して見ていますが、こちらに投稿させていただきます。

大新聞のサイトやYahoo!の特設掲示板など(ここは1万件/日の書込みがある)で国民の7割くらいがバッシング(自己責任論)になっているらしいと理解しようかと思いましたが、どうやら年齢が若いほどバッシングに傾いているらしいと感じました。
言ってみれば、日頃は政治などに関心が無い(好きとか嫌いとかの自分の感覚に響く政治ネタには関心がある)人々が、同年代である18歳という今井氏等の行動に対する評価をどうしてもしたくなった、一言言いたくなった10代から30代前半程度の年齢層かと思います。

いまの日本社会に閉塞感を感じている年齢層であり、かつ、文部省教育体制の原因により、自分がまっとうに思考する訓練を受けていないことにも気付いていない人々、その意味では気の毒な感じすら覚える若者たちが、たしかに多数派として存在している、その彼等が使いなれたケータイとインターネットを駆使して人質叩きをやっているのだと理解しています。

政治家が一部メディアと組んでやっていることは、若者たちとは異なる根深いものを感じます。それにくっついて40代以上で政府のスタンスに賛同している人々は、75日でこの話題を忘れるでしょう。
選挙が終われば公約が消え去るのと同じ、任期中に何があろうと再び当選させていく日本の有権者そのままの姿を今回も示しているに過ぎないと思っています。
自ら情報を取ろうとしない、与えられた中から選択する事しか学んでこなかった、上記年代の親達という人々だと思います。

マスメディアについては60年前の自分達の姿をすっかり忘れているだけのこと、新聞記者も新陳代謝していて、なおかつ一般の若者と同じ教育しか受けていないのですから、レベルが同じだけのことです。単なる物書きができるだけのビジネスマンに過ぎないので、インターネットのWebページの中にきらりと光る論説を見る事が多いです。

今現在18〜20代は徴兵の対象にはならない、しかし、彼等の子供たちに赤紙が届いた時、彼等ははじめて自分の過去の行為の愚かさを悟るでしょう。
おそらく現在小学生・中学生をもつ親が一番深く考えているのでは無いでしょうか、わが子に銃を持たせるかどうかについて。今後の戦場には男女の差別が無いことは既にイラクの戦場でも示されています。
子供が女の子だからと安心してはいられない、少子化の時代に兵隊は男女に関らず必要です(^_^)

このように書く私は人質の方々に決して同情的ではありません。むしろ怒りを感じてすらいます。帰ってくるなら行くなという事です。
イラクに留まり活動を継続すべきだったと思うので、政府の言いなりに飛行機に乗ったり健康診断を受けたりしたことが、意外でした。
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Re^2: 少数意見の一人として - 安藤 04/20-01:57 No.4212

> このように書く私は人質の方々に決して同情的ではありません。むしろ怒りを感じてすらいます。帰ってくるなら行くなという事です。
> イラクに留まり活動を継続すべきだったと思うので、政府の言いなりに飛行機に乗ったり健康診断を受けたりしたことが、意外でした。

 自分たちに対する評判の現状を聞いて、PTSD(ストレスからくる病気)になったらしいですからね。とりあえずは、イラクには行かないんじゃないですか。ただ、新たな紛争地域には行くような気がします。
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自己負担と、ビザの発給 - 吉田 つとむ 04/20-17:42 No.4216

 自己責任論に対応して、おそらくその家族は、国や北海道の自治体に、自己負担金に相当する金額を支払うことになると思います。家族はそのようにせざるを得ません。

 あくまでそれは、本人が支払うのではなく家族です。本人の背後にある家族は、そのように仕向ける準備は、この間の十分に作られています。

 また、本人がその後イラクに行こうとしても、なかなか海外に出向くビザが発行されにくくなるのではないでしょうか。現実は、それほどの縛りが生じてくるものと思います。

 後の2名の開放された人たちはどうなるかといえば、メディアからその存在を無視されると思います。

 この種の事件だと、さまざまに思考をめぐらすことになります。
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とっさの判断、ドバイ飛行と検診 - 吉田 つとむ 04/20-17:32 No.4215

 「3名の日本人が人質から解放された時点で、日本に帰らず、イラクにとどまることが可能であったではないか」という論法は、確かにあると思います。そうした考えの基での判断は、「チェ・ゲバラ」のように非合法革命家にならば、当てはまるかも知れません。

 しかし、彼らは、あくまで日本の国籍を有したボランティアです。それも、日本人の中で珍しく、国境を越えた地点で活躍するボランティアを行っていた人物でした。では、アフガニスタンで同様なことがおきたなら、どのような評価が下されていたでしょう。

 アフガニスタンとイラクでは何が、大きな違いが日本にとって起きたのでしょうか。その時点から問いかけなおすと、日本が取っている対応に大きな違いがあって、その対応の違いに評価が定まっていない時点で起きた事件であるために、一斉の批判を招いていると思います。

 後の2名の開放された人物と、前の開放された人たちの違いがどのようにあるかも関心を持たざるを得ません。しかし、マスメディアは、後者の2名には、総じて無関心の様相を示すのでないでしょうか。
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Re: 人質3名の罪状(?)とされ.. - 影絵 04/21-02:05 No.4222

こんばんは、影絵です。

>  解放されてあれほど喜んでいたのに、イラクでの人質3名は、バクダット→ドバイ→関空・羽田と進むに従って、無口になっている様子がうかがえます。それは、なにやら、「帰国拒否症候群症」とでもいうものを感じさせる光景です。

多分、以下の刑法の条文を持って脅されたのでしょう。

第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(未遂罪)及び第八十八条(予備及び陰謀)の罪

死刑・無期懲役と反乱罪にも匹敵する罰則が設定されています。

確かに警告の出ている「戦地」へ相手方の保証も無しに入り込んだ
迂闊さ、無謀さは指摘されるべきでしょうが、この所の世論・マスコミ
も3人に負けず劣らず遣り過ぎでしょう。
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危険さを伴ってこその国際ボランティア.. - 吉田つとむ 04/21-17:50 No.4224

 こんにちは、影絵さん 一驚に、名古屋から姫路に飛びました。

 ご案内の条文は見たこともありませんが、その名称を見ただけで、一般にはぎょっとする法律に見えます。

 ぜひその条文が出てほしかったですね。自分では出先ですので、ここでは割愛いたします。

 このボランティアでいえば、あの阪神大震災のボランティアでも、大勢の人たちがさまざまの形で現地に飛び込みました。私もそうですが、自分ひとりで現地に出向きましたが、決して受け入れ先が決まっていたわけではありませんでした。現実に、到着した最初の日は、三宮の路上で仮眠をとりました。眠っている間にどのような目にあっても決して不思議はありませんでした。自分がどうかなっておれば、確かに自己責任とされたと思います。

 安全や手当てがほとんど100%近く保障された形で出かけることが、果たして国際ボランティアに相当するのか、70年安保世代の1員にとっては、いささか疑問でもあるわけです。むしろ、このような危険なところに出向いてこそ、ボランティアとしての意義があるのではないでしょうか。そこまでいうと、言い過ぎでしょうか。(この記事のタイトルは、副題で、「危険さを伴ってこその国際ボランティアではないか?」としましょう。)

 そうした意味では、笹山さんが、よい例を参考にしてくれています。以下、そっくり参考とさせていただきます。
 <参考:笹山登生さんHP掲示板。
http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi

●6375 ごく普通の看板を、自己責任徹底の看板と勘違いしてしまった。 笹山登生 104/04/21(Wed) 13:23:08 No.6374へのコメント 削除
URL: http://www.artboundexpress.com/products/SL/b/8066.jpg
6374で述べた標識ですが、上記サイトのように、これは、ごく普通の危険防止の看板ですね。
日本で言えば、川のそばに、『危険、遊泳禁止』などと書かれた看板と思えばいいのであって、自己責任などという深い他意は、ないようだ。
「Walk at Your Own Risk 」「Enter at Your Own Risk 」のほかにも、
Dive at your own risk- プール内 に飛び込んで怪我をされても当方は責任を負えません。
RIDE AT YOUR OWN RISK −遊園地で自己責任にて運転してください
Proceed at your own risk-これより照明のない区域。ご自分の責任にてお進みください
SWIM AT YOUR OWN RISK-水泳は個人の責任の下に!
Use at your own risk-各自の責任で利用すること。
などなど、危険防止サインは、いろいろあるようだ。
このサインは、自己責任などという硬くるっしい概念とは、ほとんど無縁に自動的に使われている用語のようだ、
(以上、引用)
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Re: 危険さを伴ってこその国際ボ.. - 影絵 04/22-04:47 No.4226

● こんばんは 何時もながら 久方ぶりの書き込みでした。
 
>  こんにちは、影絵さん 一挙に、名古屋から姫路に飛びました。

● お疲れ様です。 しかし、お元気ですね・・・(羨ましい!)

>  ご案内の条文は見たこともありませんが、その名称を見ただけで、一般> にはぎょっとする法律に見えます。
>
>  ぜひその条文が出てほしかったですね。自分では出先ですので、ここで> は割愛いたします。

● と言うことですので、上に掲載しました。

>  このボランティアでいえば、あの阪神大震災のボランティアでも、大勢の人たちがさまざまの形で現地に飛び込みました。私もそうですが、自分ひとりで現地に出向きましたが、決して受け入れ先が決まっていたわけではありませんでした。現実に、到着した最初の日は、三宮の路上で仮眠をとりました。眠っている間にどのような目にあっても決して不思議はありませんでした。自分がどうかなっておれば、確かに自己責任とされたと思います。
<以下省略>

● そうですね、仰る点は確かにると思いますが、これは自然災害です
ね。 イラクの場合は「戦争、或いは騒乱」状態に有るのですから 少
しケースが違うと思うのです。 今回の場合でも戦闘に巻き込まれて、
被弾したのであれば世論・マスコミ・政府の対応も違っていたでしょう。
又、主な非難の対象とされた被害者家族の言動も違うものに成ったろう
と思います。

だからと言って、この所の「集団ヒステリー」もどきの(叩き)は、遣
り過ぎだと思いますが・・・。理由は憶測すれば幾らも有るでしょうが
何れも同じ日本人として自慢できるものでは有りませんので、論うのは
止めます。
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刑法の条文 - 影絵 04/22-04:24 No.4225

リクエストですので貼り付けます。
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第二条 この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に    適用する。
 一 削除
 二 第七十七条から第七十九条まで(内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助)   の罪
 三 第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(未   遂罪)及び第八十八条(予備及び陰謀)の罪

(外患誘致)
第八十一条 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処      する。

 (外患援助)
第八十二条 日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加      担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた
      者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。

 (未遂罪)
第八十七条 第八十一条及び第八十二条の罪の未遂は、罰する。
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実際に起訴・裁判となれば、結果は判然としませんが一般国民がこれを
見せられれば「震え上がる」に充分でしょう。
益して、自作自演とかの風評が立てられているのですからね。
当然私には検証方法などありませんので、事実かどうかは闇の中です。
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Re: 外患に関する罪 - 山梨評論 04/22-05:41 No.4227

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html
刑法(明治四十年四月二十四日法律第四十五号)
カタカナかと思ったらWebページは「ひらがな」でした。

日本はイラクと戦争をしているのではないから、刑法の適用は無いと思いますけど(^_^)

第八十八条  第八十一条又は第八十二条の罪の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

予備又は陰謀である、すなわち人質事件が自作自演で日本国に対し武力を行使させようとしたものであると警察が判断したら送検され起訴される事になりますか?

日本テレビが自作自演を匂わせるらしき番組を流していたと、あるblogに書かれているのを見ましたが、読売系の会社なので本紙同様に距離をおいてその情報の意味を考えています。

「独善的なボランティアなどの無謀な行動・・」という言い方をした読売新聞社説が19日に出ていた事を知って驚いています。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040418ig90.htm

1945年以前の新聞社説などをインターネットのデータベースとしてどこかで読めないか、国立国会図書館などには無いかとか、考えているだけです。
彼等の頭の中は既に1930年代に戻っているように思える今日この頃です。

与えられた情報の中から選択するだけでは駄目な時代になった、にもかかわらず、マークシートをチェックするような選択回答の方法しかできない教育で飼い馴らされてきた国民は彼等の良い読者なのでしょう。

それは私達国民の罪では無い、そういう自己責任を感じる事すら無い教育しか受けてこなかったのだと思うからです。
そういう国民教育を維持してきた日本国の教育システムの成果が今現在の世論を形成しているのだと思うのです。
その成果を享受している人にとって「米百俵の精神」は確かに有効だったのです(^_^)

その有り様はかの北の国のあの若い女性達を愚かだと責めることができないのと同様だと思っています。

私は個人的メディア活動、危険地帯、戦地であろうと自らの責任で出かけていくジャーナリストを大切にしたいと思っております。
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戦前の新聞社説のデータベース - 笹山登生 04/22-07:56 No.4228

オンラインベースではありませんが、http://www.ndl.go.jp/jp/data/theme/theme_honbun_700032.html
のようなものは、あるようですね。
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Re^2: 外患に関する罪 - 影絵 04/22-15:06 No.4229

この場合の問題は、「裁判結果」では無く迂遠な脅しに使われたのでは無いかという推測です。其の材料として、こんな条文も有ると提示して見たのです。

> 日本はイラクと戦争をしているのではないから、刑法の適用は無いと思いますけど(^_^)

今回、実際に起訴する気は無いでしょう、唯、ビラのポスティングが建造物侵入罪に成る国です、私が3人のうちの一人だったとして、捜査関係者からこれを提示されたら、やはり応えたでしょうね、あり得ないとまでは言い切れませんから。

> 1945年以前の新聞社説などをインターネットのデータベースとしてどこかで読めないか、国立国会図書館などには無いかとか、考えているだけです。
> 彼等の頭の中は既に1930年代に戻っているように思える今日この頃です。

歴史は「50年周期で繰り返す」とも言いますから、そろそろ大戦のトラウマを抱えた世代が消えつつある現在、祖先がえりもあり得ますね。

> その成果を享受している人にとって「米百俵の精神」は確かに有効だったのです(^_^)

こんな馬鹿げた言い分に乗るとは! 当時の「物不足」(インフレ)ならそれも有りですが、現在のもの余り(通貨不足=デフレ)時に、例えに成り様も無いのです。流石に直ぐに聞かなくなったと思ったのですがね。
もっとも当人は甚くお気に入りだった様です。(^-^;

私には、金本位復帰から昭和恐慌を引き起こした、浜口内閣の再来かと思えたくらいです。この時も緊縮財政・勤倹が持て囃され、通貨不足に輪を掛けたのです。歴史に学ばないのは、大衆だけでは無い様ですね。
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密室における公務員の役割 - 吉田つとむ 04/22-21:04 No.4231

 影絵さんへの回答に変えて(密室における公務員の役割としました)

 人質となった3名の人質が無言となったのですから、この間の状況をどのように考えたか、確かに、それらはすべて推測です。ただし、膨大な情報量を有したメディアと政府発表が、同一スタンスのキャンペーンをはれば、およそ国民世論の方向は決まってくるでしょう。

 こうしたときに、メディアの役割は他の考え方もある、反対側の立場の意見はどうなっているか、その意見の存在を明白に示すことでしょう。何も、メディアがすべて中立的にあることを望むわけではありませんが、反対意見の存在、動向を無視してはメディア自身の存在価値を低めることになるでしょう。

 バクダットからドバイへの移動時間、ドバイの病院における解放された3名の元人質が、公務員からどのような言葉を発せられたか、メディアは究明することが必要です。

 スレッドが、とても長くなりました。
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Re: 自己責任論の行方 - 笹山登生 04/20-14:24 No.4214

「仏紙ルモンドのPhilippe Pons氏が、人質事件で自己責任問う声に皮肉 』との題で、http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi#6363
に概訳掲載しておりますので、ご興味のあるかたは、お立ち寄りください。
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国家の行動と、個人の行動が乖離.. - 吉田 つとむ 04/20-17:49 No.4217

 篠山さん こんばんは

 海外での、この事件に対するメディアの見解をご紹介いただきありがとうございます。

 私は、基本的には、次のように考えます。

 そのときの国家の行動がどうであれ、また、その個人がどのような思想を持っていようと、自国の個人の取る行動には、それなりに自由さを認め、その苦難はなんとしても救済するのが、民主主義国家の国家たる所以と考えます。

> 「仏紙ルモンドのPhilippe Pons氏が、人質事件で自己責任問う声に皮肉 』との題で、http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi#6363
> に概訳掲載しておりますので、ご興味のあるかたは、お立ち寄りください。
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日本の非常識派の一人として - 山梨評論 04/20-18:29 No.4219

笹山登生さん、
> 「仏紙ルモンドのPhilippe Pons氏が、人質事件で自己責任問う声に皮肉 』との題で、http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi#6363
> に概訳掲載しておりますので、ご興味のあるかたは、お立ち寄りください。

http://www.sasayama.or.jp/saboard/b_board.cgi#6363
ル・モンド記事の要約を拝読し、ナチスに対するレジスタンスの伝統を持つフランス国民の常識が日本の常識とは異なるのだろうな、ということを感じました。
「日本の常識は世界の非常識」だとは思いたくないが、少なくともフランスでは非常識らしいと、「日本の非常識」派としてこの記事を嬉しく感じました。
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沈黙という、選択肢 - 吉田 つとむ 04/21-00:11 No.4221

投稿時間:2004/04/21(Wed) 00:11
投稿者名:吉田 つとむ
Eメール:master@j-expert.com
URL :http://j-expert.com/
タイトル:沈黙という、選択肢

 この3名の人質だった皆さんは、ただ沈黙を保っています。

 小泉総理は、「この間、一時も休まず役人は行動してがんばった」と主張しています。 しかし、「政府が、この3名を救出した」とは、さすがに主張していません。しかし、今の時代のルールは、一生懸命にがんばったからその人が評価されることではなかったはずです。日本の産業世界では廃棄された価値観のはぜですが、いつの間にか、ガンバリズムの評価基準をすりかえて持ち出しています。それが、すぐにメディアによって、よく仕事をやっていること形に映像トリックされるところが、いかにも日本的です。

 しかし、そうした中で確実に行われたことは、ドバイまでの機中と、ドバイの病院は密室とされたことです。それまで元気だった人物が、病院に入ったとたんに具合が悪くなってしまったことです。しかも、その後は、3名がそろって一言も発しない立場に身をおいたことです。

 国際ボランティア精神にあふれた人たちが、典型的な日本人に立ち返りました。しかし、前に書いたように、この3名の行動が、イラクの武装グループの規律性を世界中に初めて見せたこと、「イスラム聖職者協会」という集団の高尚さを世界の映像発信させたこと、アルジャジーラTVのニュースの速報性、正確性を証明させたことは、中東と世界の関係において、画期的なことでした。

 あわせて、私はこの人たちから、日本政府にお世話になったという言葉が出てこないことに、政府・メディアに限らず、日本でバッシングが起きた背景と考えています。

 もし、このバッシングを和らげた可能性がある言葉は、「小泉総理をはじめとした日本政府、そして国民の皆さんをお騒がせしました」という、よく政治家が用いる言葉ではなかったでしょうか。しかし、こうした言葉が、すぐに出てこなかったのは、3名が一般の国民であった証明です。決して、政治家ではなかったのです。

 少数意見の意見の立場から言えば、この人たちにかけていたのは、慎重さでなく、「いち早い状況での、日本的なものへの政治的な配慮ではなかったか」、と考えます。そうした考えに基づけば、「沈黙」と「病気」で人前に出れないと状況に体がなることが、この3名にとって選択しうるただひとつの選択肢であったろうと考えます。
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戦時体制下の国民のあり方 - 山梨評論 04/20-18:41 No.4220

町田市のような近代都市ではどうなのか知りませんし、スレ違いも覚悟で恐るおそる投稿します(^_^;)

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=2000088&tid=bcabbca32qa4ka4da4a4a4f&sid=2000088&mid=1180
自治会と地域自治区のことが気になり、Yahoo!掲示板に参加していますが、たまたま投稿したテキストの結びは以下の通りです。

戦時体制下(有事法制が機能する状況)の国民のあり方を問題としているのが、今のイラク人質問題に対するさまざまな世論でもあるでしょう。
自治会問題と根っこには同じものがある、それを強く感じ、だからこそこれまでこの掲示板で自治会、隣保組のことを議論し合ってきたということを、議論に参加された皆さんも理解しておられると思います。
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当方の関連ページは 自治会とはなにか 地方主権、地方自治を考える
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Namiki/2142/note14.htm
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