2013.9.3-2 池場 早貴 第8回インターンレポート
            町田市議会議員 吉田つとむ 研修生

第8回:インターンシップ7日目> 
         第32期研修生 池場 早貴 昭和女子大学3年生

≪本日の研修内容と感想≫

  社会福祉法人の桜雲会にお邪魔しました。ここで働いている90%が視覚障害者のかたで、このような場所は全国でここだけだそうです。高田馬場にあるのですが、高田馬場には視覚障害者のかたたちのための施設が多くあるため、世界で1番視覚障害のかたがいるということでした。
 
 その話のなかで、点字ブロックの問題が出てきました。点字ブロックの上に自転車を止めたり、人が集まっていたりすることです。直接上に乗っていなくても近くにあることで、点字ブロックを使って歩いている人はそれにぶつかる可能性もあり、とても危険です。設置されているにも関わらず、視覚障害のかたがたは利用することができていないのです。警察に相談しても何も変わらないと聞きました。晴眼者(目が見えるかたという意味だそうです)の人たちが点字ブロックの意味を考え、知ることが必要だと考えます。自分で点字ブロックの問題を調べてみましたが、場所によっては、色、形、大きさの違うものが設置されていることもあるそうです。なぜそれが問題なのかというと、視覚障害のかたにとって、それは混乱の原因になってしまうからです。また、弱視のかたは色がわかりづらいため、道路と同じ色の点字ブロックであったりすると見つけにくいという問題があります。他にも、設置方向が間違っていることや、マンホールをさけなければいけないため、点字ブロックがぐにゃぐにゃと曲がっていることなどが挙げられていました。人々の意識の問題だけでなく、設置に関する問題もまだあるということが分かりました。
お話を聞くだけでなく桜雲会で働いているかたの現場も見させていただきました。本を点字のものにするために、校正をかける仕事や印刷の仕事、録音図書を作る仕事などがありました。視覚障害のかたがどんな仕事ができるのかということを知らなかったため、今回この現場を見ることができて良かったです。障害をもっていても、健常者と同じように働ける場所を大切にしていってもらいたいと思います。
 


 そして、話の中に「塙保己一」と「杉山和一」の名前を聞きましたが、何をした人なのか知りませんでした。保己一は江戸時代の国学者で、7歳のときに病気で視力を失いました。しかし保己一は、国学・和歌・漢学・神道・法律・医学を学び、「郡書類従」を出版しました。保己一は書を読むということはできませんでしたが、人が読んだものを暗記して学問をすすめたそうです。和一も幼いこと病気で失明しましたが、鍼の「管鍼法」という今の方法を考えた人物です。そして、鍼・按摩技術取得を目的とした世界初の視覚障害者教育施設とされる「杉山流鍼治道引稽古所」を開設したそうです。私たちの世代はこの2人のことを知らないという人が多いと思います。この2人のことを知ることも、視覚障害をもった人のことを考えるために必要なことではないでしょうか。

 今回の訪問で今までふれることのなかった問題を知り、重要な人物についても知る機会となりました。障害を持ったかたでも暮らしやすい場所を吉田さんを含め、議員の方々にはもっと考えていただきたいと思います。

                                  第32期研修生 池場 早貴 昭和女子大学3年生   
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                                   記:町田市議会議員 吉田つとむ 志政クラブ 
2013.9.6コメント

 9月3日のインターン研修生の日程は、二人のインターン生が同一行動です。この記事を読んでいただく際は、野村 南さんのレポート(2013.9.3-2)も合わせて読んでください。両者の記述の相違、あるいは感性の違いも見ていただくのも意義あることだと思っています。

 今回は、私も初めて見るところに行きました。社会福祉法人桜雲会と言う団体で、鍼灸医学系を中心に点字・録音図書を出版しているとのことでした。もちろん、縁があったのは自治体の点字広報等を作成されていることによるものです。

 ここを訪れて得た主要な情報は、まず第1に点字印刷のプロセスを直に見せていただいたことで、私とインターン生の両方とも初めての見聞でした。次いで、点字本の校正作業を見せていただいたのも新鮮でした。磁気媒体にデジタル録音する国際規格に基づいたデイジー図書の知識を得たことや、ユニークな点字絵本の作成努力に言葉が詰まりました。

 もっと重要なことは、晴眼者と同じような感じで視力障害の人たちが大勢働いておられる姿に感動しました。なぜ、もっと早い時期に訪れる機会を持たなかったのだろうと反省の念が起きました。

 また、自分が鍼管の発明者である「杉山和一」のことを知らなかったは恥ずかしくはあっても、その偉業を鍼・按摩技術の取得教育を主眼とした世界初の視覚障害者教育施設を作ったことを合わせてこの日に知ったことは幸せでした。二人の学生がともに、「群書類従」の編纂者である「塙保己一」も知らなかったことで、その場では内容を伏せ、「杉山和一」とともに自習で学ぶように指示しました。私は知らざるを知ることが大事と教わりました。明日の研修では、そのことを再度インターン生に話そうと思っています。

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