構 成

タイトルどおり本書は、
1.地方議員(とりわけWeb初心者のベテラン議員)のための 
2.ホームページ開設・運用の 
3.ハウツウを伝授する、
という目的を持って書かれています。

次のように構成されています。

はじめに ホームページ一つで議員が評価される時代
第一章 読み手は誰かを意識しよう・・・読者を得る
第二章 ホームページ作成にいくらかかるのか・・・コストカットを極める
第三章 コンテンツの充実と基本項目の作り方・考え方・・・興味・関心をつかむ
第四章 どうすれば上手に・広く伝わるか・・・宣伝技法を会得する
第五章 双方向のメリットを活かすには・・・市民参加と対話をはかる
第六章 安全なホームページ管理・運営に心がける・・・セーフティネットに気を配る
第七章 インターネットは武器になる・・・情報公開ー自己開示のすすめ

各章ごとのテーマごとに「支持者を増やす」ホームページのあり方が説明されています。

さて、他の枝で書いたようにWebの最も重要な機能は、「説得」ということですね。
Webリテラシーの共有さえ前提にすれば誰もが説得者になることが出来る。
ホームページ開設の目的は、対象を定め・対象を説得しようとする試みだと考えることが出来ます。説得の目的は、もちろん、「態度の変更」ということです。

説得といえば政治の中心命題、政治家は早くからWebの機能に着目し、その活用を目指していることは当然ですね。成果が得られているか否かはひとまず措いて、まず考えてみたいのは、政治における「説得」ということです。これもかなり重複しますが、この枝の進行上、煩雑をいとわずもう一度。

議会制民主主義において政治家を志す人は、2種類の説得しなければならない相手を持っています。第一は自分を制度としての政治家のポジションに送り込んでくれる有権者であり、第二は自分の政策を実現するための同僚をはじめとする政治家たちですね。
政治家は自分の政策を実現するためには、これら二つの性格の異なる関係者に対して自分(あるいはその政策)を支持するよう説得することが必要です。この政治家にとっての二つの潜在的支持者(あるいは反対者)の説得は目的も手段も異なることが多いでしょう。

吉田さんがこの本で取り上げているのは、前者すなわち有権者に対する説得の手段としてのホームページの使い方、作り方というハウツウです。

目次の構成で分かるように、この本ではWebを介した有権者に対する説得の技術に関するハウツウが展開されています。政治家が説得しようとする相手の特性および内容については一応捨象して形でホームページの作成・運用のハウツウを論じています。主義主張を問わず、Webで支持者を獲得するための汎用ハウツウ、ということでしょうか。

実はここに、興味深いことが隠れています。
本書で展開されているハウツウは、ある範囲の特性をもった支持相がが想定されており、それは吉田さんが言われる「価値感を基準に政治家を選択する」支持相とはちょっと異なるのではないか、ということです。

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