町田市立国際版画美術館で開催されている『版画の見かた-技法・表現・歴史-』を鑑賞しました。版画の技法や道具、完成までのプロセスが示された作品が並んでいます。
版画はアートだけではなく、情報を絵や言葉として記録する情報伝達メディアとしての一面もあります。植物や動物を図鑑として記憶している解像度の高い絵が多く作られていました。版画の精密性に惹かれました。貝の化石が細かな線と色彩でリアルに表現されており、見たことない化石ですが想像して感じとることができました。
小さな面積の作品でも手で擦って写すのではなく、とても大きなプレス機で写しとられていて驚きました。綺麗な版画には相当な圧力が必要なのだということが機械からうかがえます。
制作途中で版を刷って、形や色を確かめながら板を掘っていくプロセス作品が展示されていました。油絵や日本画などのプロセスは映像でしか確認することができませんでしたが、版画はその時々の画で手順や制作意図が感じ取れて面白く思えました。
版画のアート性だけでなく、情報を伝えるメディアとしても一面を垣間見ることができて勉強になりました。
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