インターンレポート第15-1回 松村英美里(筑波大学1年生)2021.10.16
「Les Couleurs en Jeu ル・パルクの色 遊びと企てにて」
この度はロシア構成主義からの影響のもと、幾何学的な抽象画の制作を始めたル・パルク氏の日本初の個展に足を運びました。ル・パルク氏はヴィクトル・ヴァザルリの作品への共鳴や、視覚芸術探求グループ(GRAV)を結成するなど、アーティスト同士の協働による活動も並行して熱を入れていたという背景を持つ。GRAVは、視覚的錯覚あるいは動力を用いたキネティック・アートや公共の場における観客参加を促す作品を通じて、従来の美術作品の枠組みや鑑賞方法を覆すような体験を社会に提案した。視覚的遊びやゲームの要素を用いることで、誰もが平等に芸術に参加してほしいという主張をもとに展開されたそうだ。
たしかに、どの作品にも遊び心が散りばめられていて興味深かったが、どれも複雑な計算のもと構築された実に非情緒的な作品に感じた。心理学の拒否を求めているようだが、錯覚の利用にそれが叶うのかと疑問を感じた。この展示では、常に鮮明な印象をもたらす「色」を主題とし、14色のみを用いた作品群は、幾何学的なフォルム、あるいは可変性のメタファーとしてとらえるもので、ル・パルク氏の定義する美の主張、見るものが常に行為者でいて欲しいというメッセージを読み取ることができた。また、抑圧する何者かからの解放運動を芸術行為によって先導していくことの新規性も感じた。ル・パルク氏の主張の熱量価値と反比例する無料展であるという点と大作らの展示方法を鑑みると、とても魅力的な展示だと評価できる。
〇吉田つとむのコメント
私のインターンシップに参加した初めての高校生でしたが、大学生になって以降、夏休みと今回、美術展を鑑賞しました。
場所は銀座、名称もちなんだ銀座メゾンエルメスを訪れました。8階にあるアート・ギャラリー「フォーラム」の展覧会を鑑賞したものです。スマートで落ち着きのある会場でした。ちなみに、10階は予約制のミニシアター「ル・ステュディオ」となっているとの事でしたが、その会場には訪れず、1−4階にあるエルメスの店舗には、近寄るのも恐ろしく、1歩も足を踏み入れていません。エルメスさん、展覧会のみで失礼しました。
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