人はイメージにもとづいて行動する

マーケティングを論じるにあたっていつもくどいほど強調していることですが、マーケティング=相手をその気にさせる、ということを成功させるには、「人はイメージにもとづいて行動する」、マーケティングの対象となる人が持っているイメージにアピールする、ということが重要です。

多くの場合われわれは、

1.自分の頭の中に
2.これまでの情報処理の結果として蓄えている
3.「イメージ」をもとに
4.「何をなすべきか」と決めている
ということですから、蓄積されている「イメージ」を理解し、これと同調できる手法・内容でアピールすることが必要です。

吉田さんは「情報公開」をキーワードに選んでいます。
「情報公開」に熱心である、というアピールが支持相に対する最適の切り口だということですね。

つまり、想定される支持相のモデルは、
1.政治家は情報公開(政治の場・本院の活動)すべきだ
2.現在の政治は情報公開が不十分だ
3.政治家は情報公開に努力すべきだ
というイメージを持っている人たち、ということです。

まあ、誰もが聞かれると「イエス」と答えるであろう立場を先取宣言することでイメージ形成の場を主導的につくっていく、こちらの土俵に来てもらうには乗りやすい土俵にしないといけません。

もちろん、吉田さんは生粋の保守・民主主義を標榜されていますからその「情報公開」の信念は本物です。しかし、ことネットで支持者を集めようとするなら、主義主張を問わず、「情報公開」については見識がある、というポーズを取ることが必要です。

政治家サイトの一般論として展開されているこの本のコンテンツが、「情報公開」を中心に構成されているのは、もっぱらそのためです。

1〜3という設定のなかでサイト訪問者にアピールし、支持相というモードに入ってもらう、投票行為に結びつけるためには、1〜3について問題意識を私と共有し・状況の改善に活動する政治家、というイメージを定着させなければならないわけですからね。


最初に戻る  前章に戻る  章の始めに戻る  項の始めに戻る  前節に戻る  次の節に進む