まず、福岡県立糸島高校が全国の高等学校(高校:公立・私立を含む)で唯一、学校内に博物館法でいう博物館(郷土博物館)を有していることを改めて記します。それは、全国の小学校・中学校も含めて、校内に博物館を持つ学校は無いということを表しています。それほどすごいことであり、私が福岡に私用で行った際、他の予定をキャンセルして、11月16日、糸島高校に駆け付けた次第です。
ここで、記した博物館の定義は、博物館法において以下のようになっています。
博物館の定義
(現行法第2条の規定)
「博物館」とは、
・ 歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成を含む)し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、
・ その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、
・ あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関(公民館及び図書館を除く。)のうち、
・ 地方公共団体、民法(明治29年法律第89号)第34条の法人、宗教法人又は政令で定めるその他の法人(独立行政法人を除く。)が設置するもので登録を受けたものをいう。
とされています。つまり、実施対象は、自治体や企業、あるいは宗教団体など幅広く、財団や社団などは含まれるのでしょう。文化庁の発表数値によると、博物館総数は,平成30年10月現在で5,738館となっているそうです。糸島高校郷土資料室が昭和31年10月には文部大臣指定の博物館相当施設となり、わが国唯一の文部省指定高校付属博物館となっているとの事です。それが、この糸島高校郷土博物館になっている次第です。
その糸島高校郷土博物館の特徴として、以下の4点があげられています。
1、高校としては異例の文部大臣指定を受けた郷土博物館であること。
2、陳列品のほとんどが旧糸島郡内の出土品で、系統立てられていること。
3、学術上重要な遺物が多く含まれていること。
4、著名な考古学者原田大六氏(糸島中学8回生)の献身的奉仕による蒐集復元の遺物がほとんどである。
この中で注目するのは、「2、陳列品のほとんどが旧糸島郡内の出土品で、系統立てられていること。」と言う点です。
例えば、各種施設では、工芸品類をいろいろ展示するものがありますが、地元となんの縁も無いものであたり、個人などの寄付で集まったものを展示並べるケースもありますが、それはプチブルし好の単なる奢侈品である例が多く、ほとんど美術品的な価値は感じられず、そこには、「愛」もあるとは思えないということになります。この糸島高校郷土博物館は、地元愛が起点になっていると思います。
この糸島高校郷土博物館には、2000点もの地元の出土品があるそうです。系統立てられて整理されたのは、糸島高校先輩でもある原田大六氏であり、その存在抜きには、博物館にはなっていないものでしょう。
次回は、糸島高校歴史部と、その歴史部員の生徒さんたちに焦点をあてて、さらに、糸島高校郷土博物館の意義を述べてみたいと思います。
気になるものに、菊池誠一「考古学者 原田大六論」(1)ー(8)昭和女子大学「学苑」204年ー2005年の関係各号記載の見出しを見つけました。つい先ごろまで昭和女子大学の教授でしたが、現在は定年退職されいるのが残念です。(続く)
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