本日は、一般質問4日目で5人が質問に立ちました。今回の一般質問の中で、新井よしなお議員が「パークミュージアム計画について」に関して取り上げていました。
新井議員は、この「パークミュージアム計画」のメインになる(仮称)国際工芸美術館の建設計画の問題点に関して一貫して鋭い指摘をしており、国際工芸美術館の建設問題に関して、町田市議会で一番の論客です。
私は、町田市が保有する工芸品の収集が(仮称)国際工芸美術館の「国際」を名乗るほどのものはごくわずかな分野の工芸品に過ぎず、かつ、町田市内の伝統工芸技術やその作品を受け継いでいく視点も全く含まれていないと主張してきました。実際に、町田市が保有する工芸品では、中国清朝時代の鼻煙壺(当時の中国の貴族階級が使用した嗅ぎ煙草の入れ物)が多数ありますが、現代に通用する工芸品とは言えない存在となっています。また、ボヘミアングラス、中国の陶磁器、江戸切子、および岩田色ガラス、大津絵(最近、版画美術館に籍替え)などを保有していますが、国際を称するような多様性を有するものとはとてもいえない存在です。
他方、町田市立国際版画美術館が持つ、国際的な、歴史的重厚性を持った多様性に満ちた収蔵品とはまるで次元が異なるものとなっています。さらに、地元の縁では、版画家として著名な畦地梅太郎は町田市に居住し、その縁で町田市に自作の作品を多数寄贈しており、町田市名誉市民ともなっていた人物があります。畦地梅太郎氏は、自作の版画275点を町田市に寄贈しています。
町田市立国際工芸美術館の構想による収蔵作品は、町田市立国際版画美術館の収蔵作品内容とはかけ離れたレベルの工芸品で構成されています。つまり、この両者の美術品の多様性、地元芸術家の作品収蔵の在り方に著しい相違が明白であります。
さて、この度、元市議会議員 井上博行氏より、(仮称)町田市立国際工芸美術館建設計画への意見が公表されました。井上博行氏は、国際版画美術館建設審議会の当時の委員でありました。この国際版画美術館は、昭和56年11月4日に諮問され、56年11月4日に答申されています。昭和61年(1986年)8月竣工となっています。
ちなみに、この国際版画美術館は、大宇根・江平建築事務所の設計ですが、大宇根弘司氏は全国的に有名な設計家であり、町田市在住です。また、建設は大成・小田急・高尾建設共同企業体となっていますが、大成建設は大手ゼネコン、小田急建設は町田市を通る小田急電鉄の建設工事部門の会社、高尾建設は当時町田市内にあった地場建設会社でした。
井上博行氏は、その意見で、「文化的遺産的価値のある国際版画美術館に安易に手を入れないこと」を求めています。具体的には、
・版画館と新設EVは完全に切り離すこと
・版画館内の新たな通路は取り止めること
を求めています。
*(吉田注)「EV」は新設を予定しているエレベーターのこと
井上博行氏は「今回(仮称)国際工芸美術館建設で、版画館内の池にEVを新設し、壁を撤去し、館内に新たな通路をつくることは「建設審議会」の理念を無視したものであり、当時の「建設審議会」委員として無過ごすことができない。」と述べています。
その前段には、「湧き水をいかしたせせらぎや池、谷戸の樹木に包まれた建物、美術館にふさわしい落ち着いた内部空間などは、「建設審議会」の理念を具体化したものである。」
と述べています。
つまり、町田市立国際版画美術館は、国際的に優れた版画を収蔵展示するだけでなく、建物自体が周りの自然と協調した建物とし、美術作品の館にふさわしく構想設計されているというものです。この内容に関して、新井よしなお議員が、本会議で初めて触れました。
詳細については、井上博行氏の意見の写真文面をご覧ください。
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